2012-01-01から1年間の記事一覧

究極の秘密主義が生み出すAppleという組織 『インサイド・アップル』 アダム・ラシンスキー

"インサイド・アップル" (アダム・ラシンスキー) Appleの製品やスティーブ・ジョブズについて書かれた書籍や文章はたくさんあるが、Appleという組織について情報はほとんど目にしたことがない。表面的に判断できる株式の時価総額を除けば、ジョブズの言葉以…

メールだからこそ気持ちが揺らぐころもある 『北風の吹く夜には』 ダニエル・グラッタウアー

"北風の吹く夜には" (ダニエル グラッタウアー) この書籍は『本が好き!』から献本いただきました。 メールで感情を伝えるのは難しいよね。特に恋愛感情は。キーボードから叩きながらたくさんの形容詞を駆使しても心の微妙なニュアンスはなかなか表現できな…

まるでイコライザーでどの周波数帯もプラスにしてしまっている音楽のようだ 『六つの手掛かり』 乾くるみ

"六つの手掛り (双葉文庫)" (乾 くるみ) 「ミステリー」に何を期待するか・・・トリックか、それともストーリーのロジックか。そこに正解があるわけではなく、それは読者それぞれの好みに左右されるポイントだろう。更にそれらの仕掛けが精巧に埋め込まれて…

現代版ジェームズ・ボンドを完全に描ききってる 『007 白紙委任状』 ジェフリー・ディーヴァー

"007 白紙委任状" (ジェフリー・ディーヴァー) 『007』を聞けば、おそらく多くの人は映画007シリーズのジェームズ・ボンドをイメージすることだろう。さて、その中で何人の人がイアン・フレミングの原作を読んだことがあるだろうか。なんでこんなことを書…

就活している学生だけじゃなく、若者の必読書と言ってもいい 『就活に「日経」はいらない』 成毛眞

"就活に「日経」はいらない" (成毛 眞) タイトルはキャッチーだけど、内容はいつもながらの"成毛節"炸裂。就活を通して自分自身の未来をどう考えるかが大事であって、「日経は必須」的が安易な考え方を否定しているに過ぎない。成毛さんの言葉を借りれば、 …

出だしの言葉は大事だねえ 『モップの魔女は呪文を知ってる』 近藤史恵

"モップの魔女は呪文を知ってる (実業之日本社文庫)" (近藤 史恵) 近藤史恵さんって作家として器用なひとだなあ、って思う。だって、たくさんのシリーズものを書きながら、そのシリーズのキャラを進化させてる。今回の『モップの魔女は呪文を知ってる』はタ…

石田衣良さんの読書会は超満足でした

前回の大沢在昌さんの読書会に続いて今回は石田衣良さんの読書会に参加してみた。どちらも抽選だったけど、きっと平日の夜のイベントということもあって申込する人が少なかったのでしょう。お陰でどちらのイベントにも参加でき、僕としては十二分に満喫でき…

前作よりも更にバージョンアップして登場 『ドラゴン・ティアーズ -龍涙 池袋ウエストゲートパークIV』 石田衣良

"ドラゴン・ティアーズ 龍涙―池袋ウエストゲートパーク〈9〉 (文春文庫)" (石田 衣良) ふと『池袋ウエストゲートパーク』の魅力ってなんなんだろう・・・と考えてしまった。今回の作品で九作目になるこの人気シリーズは発売されれば何の疑いもなく手に取り、…

決して広告の話ではなく、どう仕事に向き合うべきかを考えさせられる一冊だ 『デイヴィッド・オグルヴィ 広告を変えた男』 ケネス・ローマン

"デイヴィッド・オグルヴィ 広告を変えた男" (ケネス・ローマン, Kenneth Roman) この書籍は『本が好き!』から献本いただきました。 朝起きてTVのスイッチを押してもPCの電源をONにしても最初に押し寄せるのは「広告」である。電車に乗ってふと目を上げれば…