2011-01-01から1年間の記事一覧

一冊の本の中で気になった部分を紐解くと・・・

音楽や本の世界で新しいアーティストに触れる、新しい作家に巡り会う、そしてそれが自分自身の感覚にフィットするにはちょっとした冒険が必要かも知れない。偶然手にした本の中に書かれた一行が妙に気になり、その糸をたぐってみたら面白い結果に繋がる。今…

20年以上前の盆栽の記憶

BK仲間の@7_nanaのツイートを見て昔を思い出した。 内容はこれね。 20数年前、社会人として最初の会社の社長の趣味は盆栽だった。創業者であり、会社の株式を公開ばかり、そして時代はまだまだバブルのまっただ中。趣味が高じて、というとあまりいいイメージ…

『編集』ってなにも本や出版だけの話じゃないよね

昨日は『zonostyle』の倉園さんと一緒に美味しい料理をいただきながら『編集』談義に。『Nozbeクリエイティブ仕事術』と『Nozbe』、そして『GTD』の関係で僕が思うところからスタートさせていただきました。以前にこのブログでも書いたけど、『Nozbe』は素晴…

これが大学の授業のテキストだったら楽しいよね 『亜玖夢博士の経済入門』 橘玲

"亜玖夢博士の経済入門 (文春文庫)" (橘 玲) この本は2つの側面があり、経済学の初級者〜上級者まで満足させられる貴重な一冊であることは間違いない。この春に晴れて経済学部(社会学部でもいいと思う)の学生になった人には退屈な授業よりも分かりやすく、…

算数は企画的発想を育むか

小学校4年生の娘から「お父さん、覆面算できる?」と言われ、小学校1年生の3学期(1、2学期は3段階評価だった)から中学卒業まで算数・数学は「5」以外取ったことが無かった自負があるので気軽に「どの問題?」と聞いてしまった(ちなみに高校の数学はそれま…

今回の災害とは関係なく多くの人に読んで欲しい 『災害がほんとうに襲った時――阪神淡路大震災50日間の記録』 中井久夫

"災害がほんとうに襲った時――阪神淡路大震災50日間の記録" (中井 久夫) この書籍は『本が好き!』から献本いただきました。 ちょうどその時は東京湾に浮かぶ船の上だった。当時の会社のイベントで前日の夜から東京湾クルーズで接岸間近の時間にかなりの騒ぎ…

そこは異次元空間だった 千駄木「往来堂書店」

『東京ブックナビ』を見ながら書店巡りの計画を考える中でとても気になっていた店『往来堂書店』に行ってきた。古書を中心に特徴を出す書店が多い中、いわゆる新刊書で特徴を出し、勝負しているお店。出版業界では有名なお店らしい。 最寄り駅は東京メトロ千…

10年経っても古びない 『急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則』 マルコム・グラッドウェル

"急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫 ク 2-1)" (マルコム・グラッドウェル) マーケティングや企画に携わっている人、ソーシャルメディアに興味がある人で未読の方は是非一度目を通していただくことをおすすめ…

美しいものを見続けること 『イーオン・フラックス』

たまたまTSUTAYAでSF系の何かをみたいなと思っていて手にした。それほど期待はしていなかった作品なんだけど僕の中ではかなり『当たり』だった。まず映像が非常にきれいなことが大きい。映像全体もそうだけど、主演のシャーリーズ・セロンがすこぶるいい。彼…

親子で楽しめるよ 『ちあき電脳探偵社』 北森鴻

"ちあき電脳探偵社 (PHP文芸文庫)" (北森 鴻) 僕の中には何人かの天才作家にリストアップされた人たちがいる。北森鴻はその一人であり、彼の作品はもう生み出されることはないという事実を考えると残念でならない。料理を描かせたら読み手を『食べたい!』と…

タイトルとは裏腹に事件の真相は深いところに 『違いのわかる渡り鳥』 クリスティン・ゴフ

"違いのわかる渡り鳥 (創元推理文庫)" (クリスティン・ゴフ) この書籍は『本が好き!』から献本いただきました。 この作品はシリーズものの第二作目の位置付けだけど、十分に単独で楽しめるのでまずはご安心を。主人公はコロラド州エルクパークでドラモンド…

iPhoneで写真を撮り続けて少しだけ写真が分かってきた(かな)

連日、本のレビューを書いているのも芸がないので(実は読み終わっている本が結構あり、積まれている本を見ながらちょっと気になっているんだけど)、今日は写真のことについて書くことにするね。 去年の夏に三井公一さんのiPhoneによる写真を見てから基本的…

書店巡りのお供に 『東京ブックナビ』 東京地図出版編集部

"東京ブックナビ" (東京地図出版編集部) 旅行用ガイドブックを除けば、ある特定の目的のために編纂されたガイドブックはぴあマップが最初じゃないだろうか。映画やコンサートが好きな人にとって必要な情報は位置情報だけではなく、会場のサイズや座席レイア…

GTD x Nozbe x 実践の繰り返しのために 『Nozbe クリエイティブ仕事術』 倉園佳三&できるシリーズ編集部

"できるポケット [公式ガイド] Nozbe ノズビー クリエイティブ仕事術" (倉園 佳三, できるシリーズ編集部) この本のレビューを書くのは正直難しい。なぜなら内容の良し悪しだけで完結するものではなく、GTDを理解し、Nozbeの機能をわかった上で、『実践』…

人間関係が生み出すドラマ、として読んでみるとさらに面白い 『境界殺人』 小杉建治

"境界殺人 新装版 (講談社文庫)" (小杉 健治) 以前に読んだ小杉作品で今回と同じように土地家屋調査士を主人公にした本書をずっと読みたいと思っていた。が、意外なことになかなか書店になく(同じようにブックオフなどにもなく)、ずっと僕の中で「候補」の…

書店巡りをしている中で

「灯台下暗し」にならないよう、近所のブックカフェ(古本+カフェ)に行ってみた。存在は随分と前から知っていて気にはなっていたんだけど、どこか第六感というのか、かき立てる何かを感じなかったので足を運んでいなかった。ちょっと時間が空いたので、その…

子供にとっての予習・復習の将来

子供の頃は納得がいく理由を得られず、大人になってから経験でその意味が分かることは結構多いと思う。最近では子供の頃によく言われた『予習・復習』の意義を痛切に感じている。僕の子供時代は宿題はともかく、それ以外の勉強(いわゆる家庭学習っていわれ…

『レンブラント 光の探求/闇の誘惑』を見て

上野の国立西洋美術館で開催されている『レンブラント 光の探求/闇の誘惑』に足を運んでみた。特に美術に関心があるわけではなく、どちらかといえば北森鴻の作品にたびたび登場する彼の名前が記憶にあり、なんとなく気になっていたので実際に作品を見ること…

近所の道路に出来たポールを見ながら

何かを実現しようとする時にそれを機能でカバーする必要はない。それは人間は目で見えたものが意識されるわけではなく、脳で理解したものを判断するからだ。たとえばスーツ姿で新橋の駅前を彷徨いても周りの人と区別されないから事実上透明人間になることが…

初期の白川作品に漂う緊張感を今ここに 『祈る時はいつもひとり』 白川道

"祈る時はいつもひとり〈上〉" (白川 道) 1000ページを優に超える大河は睡眠を妨げ、いまちょっとした疲労感と興奮の後味だけを残している。ハードボイルド、経済小説、恋愛、友情などカテゴリーやラベルは全く意味がなく、単に白川道作品ですべての説明がつ…

真のチームワークとは

たまにはちょっと仕事を通して感じたことを少しばかり。 とあるクライアントのプロジェクトにアドバイザーとして参画している。アドバイザーと言いながらもスタッフの一員としてタスクもミッションも持っている。会社の中で常に顔を合わせているわけではない…

本屋じゃなくて雑貨店だよなあ『ヴィレッジヴァンガード 下北沢店』

書店巡りの第2弾はヴィレッジヴァンガード。うちから一番近いということで下北沢店に。実はこれまでゆっくりとヴィレッジヴァンガードの中を見たことが無かったんだよね(行ったことがないわけじゃなく、じっくりと見ることが無かった)。どうもドン・キホー…

必要なのは自分自身を見失わない心構え 『超思考』 北野武

"超思考" (北野 武) この書籍は『本が好き!』から献本いただきました。 前作『全思考』も読んでいるし、雑誌『Papyrus』で連載されている時にもファンだったので改めて『超思考』という本の形でまとめられた本書の期待値は大きかった。そしてその期待値以上…

いつの間にかはてなダイアリーが1000日超えていた

気付いたらこのブログを書いて1000日を超えていた。日記を書くって中学の時にしていた交換日記(今や死語かな)以来続いたことがないので僕の中では快挙と呼んでもいいぐらいの出来事なんだよね。これも僕の友人たちがこまめに読んでくれているおかげで、会…

『ジェームズ・ボンド 仕事の流儀』 田窪寿保

"ジェームズ・ボンド 仕事の流儀 (講談社プラスアルファ新書)" (田窪 寿保) 「マイ・ネーム・イズ・ボンド、ジェームズ・ボンド」 本書の一行目の言葉である。『007』が好きな人ならこの一言で映像に、そして声となって届くことだろう。近所の書店で偶然見つ…

粘りを感じる作品 『探偵はバーにいる』 東直己

"探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)" (東 直己) タイトルからしてある程度想像ができてしまうため、敢えて手に取らずにこれまで過ごしてきた。「何事も食わず嫌いはいけない」と、まずはデビュー作を読んでみることにした。 著者が札幌出身ということだろう…

想像以上に使いにくかったレコメンドする自動販売機

前から気になっていたレコメンドする自動販売機を実際に品川駅で確かめてみた。いや〜笑っちゃうほど使いにくい。世の中、いろんな機能を盛り込んで多機能にすればするほど使いにくくなる典型的な例じゃないかな。そもそも自動販売機で何からしらの飲み物を…

依頼原稿を書く、という初めての経験

今日は昨日の続きの話を。 『本が好き!』で1級になったことで初めて依頼原稿(書評のね)なるものを書くことになった。文章的には非常に短いものなんだけど短いからこその難しさもある。これまでも仕事でプレスリリースを書いたり、ブローシャの文章を書い…

『本が好き!』で1級になったので、ちょっとしたふり返り

いつも本のレビューをエントリーしたり、献本をいただいたりと何かとお世話になっている『本が好き!』のサイトでめでたく1級になりました。その上には「免許皆伝」があるのでまだまだ目標があるのですが・・・。現時点で80数冊をエントリーしているけど実際…

短時間で読み切る前提で書かれた潔さがいい 『情報は集めるな!』 指南役

"情報は集めるな!" (指南役) なぜかEvernoteのノートに「情報は集めるな」と一言が残っていた。自分で書いたのに全く記憶がない。ためしにググってみると本書が出てきた。というわけで、早速購入し、読んでみることに。こういう時はあれこれレビューなどを見…