都市部に於ける外国人労働力への依存

最近の都市部でのコンビニやファーストフード店でのアルバイトの人たちを見ると、そのほとんどが外国人で成り立っている。特に深夜帯ではほとんど日本人を見かけることはない。アルバイトの時給だけを見ると決して安い訳ではないと思うけど、きっと条件面と待遇面で今の若者には受け入れられないのだろう。
コンビニにしてもファーストフード店にしても日常のオペレーションはかなりに部分に渡ってマニュアル化されているために対応できるようになっているのだろうが、オペレーションが成立するのと、お客が感じるのでは大きく違う。

随分前に『吉野家』について書かれた本を読んだ時の内容をこのブログで書いたことがある。

[Book吉野家」 茂木信太郎 2008-05-13 feel the wind]

ここにも書いた通り、吉野家は牛丼などの商品だけを提供している訳ではなく、付随するサービスを提供していることに多くのファンがついてきていると思っている。少なくとも僕はそういう意味で吉野家のファンであった。過去形なのは、この数ヶ月の間にも何度かいくつかの店舗で食事をしているが、かつての吉野家らしさはほとんど感じられなかった。それからというもの、何度か吉野家に入ろう、と心には浮かんでも決断には至っていない。意外と古くからのファンは同じ気持ちではないだろうか。
企業側から見た場合はどうだろうか。ファーストフード店では相手や間合いを見て、「xxxは如何ですか?」とアップセルのトークを受けることがある。何回かに1回は試してみるのもいいかな、という思いでこのセールストークに乗る。その商品が良ければ、次回以降も頼むケースもある。これによって、客単価が上がる、あるいは勧めた商品がきっかけで来店頻度が上がることもあるだろう。しかし、やっと日本語が話せるようになった外国人にこの辺のアプローチをするのは非常に難しいだろう。結果、短期での客単価アップや長期的なファン作りに対してプラス効果が期待できない。

現実的には外国人の労働力が無ければ都市部のコンビニやファーストフード店は成り立たないところまできていると思う。それならば、オペレーション教育も変更して、今をまかなえるだけではなく、長期的にもブランド価値を維持できるようにすべきだと思う。外国人を含めたオペレーションを前提に変更できた企業がこの先の時代の勝者になる気がしている。