日経新聞電子版がリリースされて半年 ちょっとまとめ


日経電子版会員属性

日本経済新聞プレスリリースから>


 


日経新聞電子版が始まってちょうど半年が経った。サービス開始当初は国内初の有料電子新聞ということで話題になり、またいろいろなキャンペーンを実施したお陰で購読者数は順調に伸びている感じだ。2010年8月末のオフィシャルな発表でも登録購読者数が50万人を超えている。当初の発表では日経新聞購読者300万人の10%を目標に掲げていたので、この目標は軽くクリアしたことになる。僕は有料版を利用しているので、利用者の立場で日経新聞電子版を見てみたい。


 


『主要ニュースメール』は意外と便利!


過去にこのブログでも書いた通り、日経新聞電子版だけではなく、「THE WALL STREET JOURNAL」の電子版も並行して購読している。言語の違いがあるので圧倒的に日経の方が読む機会があるけど、それ以上に利便性を上げているのが『メール』である。日経新聞電子版には『メールサービス受信設定』という機能があり、ニュースのヘッダー情報とリンクURLをメールの形で配信してくれる。特に便利なのは『主要ニュースメール』で平日であれば4回/日の配信がある(日・祭日は2回/日)。つまり、サイトのURLをブックマークして何度も訪問する必要がなく、メールで気になる内容があれば、そのリンクから直接記事に辿り着くことができる。電子版の有料/無料で閲覧できる記事本数に違いがあるので、このメールに記載された記事のすべての記事が閲覧できるかどうか分からないが、有料会員であればその制限数を気にする必要がない。料金の件では賛否両論あると思うけど、自分のライフスタイルの中で無駄なストレスを感じずに利用できるのであれば有料サービスの方がベターだと思う。


 


iPad横にすると電子版は見やすい


iPadを手にしてから日経新聞電子版をiPadで見る機会が増えた。もちろん、iPad用のアプリがあるわけではないのでSafariで見ることになる。この辺は専用アプリがあるTHE WALL STREET JOURNAL」の方が優れている。THE WALL STREET JOURNAL」はiPadに最適化された形でコンテンツを提供しているので、いろいろな面でアドバンテージがある。


例えば、日経新聞電子版ではほとんどニュースしか見ないけど、THE WALL STREET JOURNAL」だとニュース以外のコラムのようなものも目を通す。新聞という観点で見れば、ニュース以外の情報もコンテンツ化できている、と言えるだろう。そういう意味ではできる限り早く日経新聞電子版もiPadに最適化されたアプリの提供を期待したい。


一方で、Safariでブラウズするメリットもある。僕はネットの情報を『Diigo』にクリッピングするようにしているんだけど、Safari用のブックマークレットがあるので簡単にクリッピングすることができる。日経新聞電子版はTHE WALL STREET JOURNAL」のように多様なソーシャルサービスとの連携を許可していないからブックマークレットで『Diigo』にクリッピングできることは僕にとっては重要で、アプリ版が出てもソーシャルサービスへのオープン性が無いようであればSafariで見続けるだろう。


 


実はいろいろな機能って使わないもの


日経新聞電子版にはいろいろな機能が提供されているんだけどほとんど利用したことがない。紙面レイアウトから記事を選択し、ディスプレーに最適化される(=つまり横書きレイアウトに)『紙面ビューアー』は誰かにデモで見せる時にはインパクトがあるんだけど、実際には使わない。ちなみに『紙面ビューアー』はFlashでできているので、iPhoneiPadでは使えません。


それからキーワードによる記事のクリッピングも使ったことがない。なぜなら僕は日経新聞電子版だけではなく、すべてのクリッピングは『Diigo』に集約しているので、日経新聞電子版だけサイト内にあっても意味がない。ケータイ用のサイトも利用したことがないし、ガラケーを止めたので今後利用することもない。


 


サービス全般としては概ね満足しているけど、機能重視、あるいは既存の紙ベースの部分は今後大幅な改良が必要な気がする。オフィシャルな発表では購読者の属性などもしっかり把握しているようなので、日本全体ではなく日経新聞購読者にフィットしたサービス環境が必要だろう。


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