「なぜみんなスターバックスに行きたがるのか」 スコット・ベドベリ

なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?

なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?

著者はナイキで「Just Do It」キャンペーンの指揮をし、スターバックスではブランディングを担当。タイトルから想像されるスターバックスの成功物語やスターバックス・インサイドの話ではなく、著者の経験を通してマーケティングやブランディングのポイントを展開している。ナイキにしても、スターバックスにしても身近な消費財のため、施策やキャンペーンのイメージしやすく、また押しつけ口調ではないので本当に貴重な言葉が多い。
例えば、冒頭部分では、
ブランド構築にはマーケティング部門やCEOの積極的な支援・保護が必要他だが、マーケティング部門だけに任せてよいものではないし、CEOだけで対処できるものでもない。優れたブランドを築き支えていくのは、CEO以下社員全員の仕事だ。
と定義している。また非常に大事なポイントとして、
企業に魂や心がなければ、企業が「ブランド」のコンセプトを理解しなければ、企業が周囲の世界とつながろうとしなければ、どんなマーケティングを試みたところで、だれも深く共鳴しあうことなどできはしない。それはブタに口紅をつけてやるようなものだ。
とちょっと辛口の表現もする。
ユナイテッドの機内コーヒーをスターバックスに変更した際のユナイテッドの広告の一文は素晴らしい。
「私たちにとって機内は仕事場ですが、コーヒーはお客様と同じものを飲むわけですから」