書店巡りをしている中で


本棚


「灯台下暗し」にならないよう、近所のブックカフェ(古本+カフェ)に行ってみた。存在は随分と前から知っていて気にはなっていたんだけど、どこか第六感というのか、かき立てる何かを感じなかったので足を運んでいなかった。ちょっと時間が空いたので、そのタイミングを利用してのぞいてみた。こういうこともNozbeに書いておくと本当にアクションに繋がるね。


 


結果はですね・・・第六感は正しく、問題外でした。お店の外には廉価品(要はディスカウントされた)の古本が箱に入れられて置かれていたんだけど、その姿は無惨としかいいようがない雰囲気だった。(特にかなり時間が経過している)古本には痛みやヤケなどがあってもある部分仕方がないと思うんですよ。でもそんな状態の本でも大事な商品として捉えて、あるいは興味を持ったお客さんの手に渡るモノ、と考えればできることはたくさんあるし、痛んでいるけど可愛い「この子たち」を連れていってくれる人へ、って気持ちがあれば扱いが違ってくると思う。同じ段ボールに入れるにしてもその心遣いは空気として見えるんだよね。本当にその段ボールの周りには悲しそうな空気に包まれていました。


 


せっかくなので店内に入ってコーヒーを注文し、座った後ろの棚に目をやるとさらに気持ちは沈んでしまった。写真の棚をみてどう思いますか?実際には上下が逆さであったりって本もありました。僕がしげしげと棚の本を見ていても奥にいたスタッフの人たちは黙々とMacBookに向かっていた(4人かな)。僕はそこで本を買わないかも知れないし、コーヒーを飲みたかっただけかも知れないけど、少なくともその店はへんぴな場所にあり、週の半分しかオープンしていない店に入り、ずっと棚の本を見ていたら何かしら声をかけるでしょう。僕だったらそうする。声をかけられたら棚をキレイにしようよって言いたかった。でも言わなかった。きっとその意味が分からないだろうから。


 


本が好きだからそう思うんじゃなく、これが本じゃなくても同じことだよね。古本の面白いところは自由に値段を付けられるところ。その値段には経済的な価値のほかにもっと違う気持ちのようなものも一緒に手に入れられたら買った時のうれしさは何倍にもなるよね。古本だけどきれいさ、新しさを売りにするものいい、中身を理解して特別なディレクションで揃えられた価値を全面に出してもいい、でもね、気持ちが見えない人からは中古のものは買わないよ。


ここに並べられていた本たちがかわいそう。だから店名も出しません。その代わり、二度とこの店に行くこともないでしょう。