算数の問題を『大人の見方』で考える


3日の日は娘が全国統一模試なるものを受けたので、家に帰ってきた娘に問題を見せてもらい、算数だけ解いてみた(さすがに小三の算数は僕でも解けます)。これが意外と良い問題というかよく考えられている問題で、ひとりで感心していた。


 


まず一つは下記のような3つの異なる正方形をくっつけた時の外周の長さを求めよ。という問題。答えを出すのは全然難しくありません、何といっても算数ですから。しかし、『大人の見方』をすると非常に面白い。『大人の見方』というのは『仕事』的に考えてみようということ。一番単純に外周の長さを出すのはそれぞれ各辺の長さを足していけば答えは出る。でも、ほとんどの仕事って答えは既に出ていることが多い。そう考えてこの図形を見た場合、どんなアプローチが考えられるか。



そう、補助線を引くんですよ。補助線を引けば長方形の外周の長さを出すだけなんです。そして異なるアプローチで答えが出せれば、それぞれの答えを比較して正しいかどうかのチェックができます。『検算』です。『大人の見方』というのは、ミスをするリスクを減らして答えを導き出し、『検算』して確認することなんです。ね、そう考えて算数の問題を見ると面白いでしょう。


 


今度はこんな問題です(一部改変しています)。




図のような的にボールを当てるゲームをしました。このゲームでは、的の真ん中にボールが当たると50点、その周りの的に当たると20点、一番外側の的に当たると10点で、外れると0点です。このゲームをA君とBさんの2人がしました。これまでに2人は3回ずつボールを投げたところ、50点に1回、20点に3回、10点に1回当たりました。誰が当てたものか分かりませんが、得点はA君の方がBさんよりも40点多くなりました。


  1. ボールを3回投げた後、A君の得点は何点になりましたか。

  2. 2人があと2回ずつボールを投げてゲームが終了しました。2人は2回とも的に当てましたが、5回の合計ではBさんの得点の方がA君よりも10点多くなりました。Bさんの5回の得点は合計何点になりましたか。


 


これも難しくはありません。『大人の見方』には『検算』が必要です。そのための『目安』の点数をイメージできるかがポイントです。方程式を知らない小学生には1)の場合、ある意味40点差が発生するパターンを総当たりして見つける必要があります。方程式を知っていれば代入で簡単に解くことができます。しかし、仕事では解いてから答えがでるのでは遅いのです。『見積』や『あたり』といった概算をどれだけ早めに提示できるかができなければ商売にはなりません。算数では答えの正確性を求められますが、ビジネスでは正確性の前にある程度の着地点をできる限り早く出すことを求められます。


そう考えると算数の問題もいくらでも楽しい問題に変化させ、今の勉強が将来こうやって役に立つと自信を持って説明することができます。


ついでに僕はこんな本も買ってしまいました。




"大人のための算数練習帳 ブルーバックス" (佐藤 恒雄)