複数のモノを組み合わせてルールでシンプル化する

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このあいだ書いた『pomera』にしても世の中から強く支持されるものを見ると、『何でもできる』から『これだけができる』にニーズがシフトしている気がする。ニーズが多様化しているとか、個々人の主張が比較的出しやすくなっているという一面もあれば、IT関連でいえばブラウザベースのアプリケーションサービスが揃ってきたことやiPhoneのアプリのように小さなアプリケーションに多くの人が触れるようになってきたことにも影響があるだろう。

モノが進化する課程で、一度は『何でもできる』あるいは『何でも付いている』という機能至上主義の産物に向かうもののその後には、より専門性の高いモノに流れが分散していく。クルマにしてもしかり。コンピュータもネットブックのような機能を絞って、低価格、携帯性、バッテリーの持続性に軸を置いている機種が市場を作り出したことも同じ流れである。

こうなると必要になってくるのが、利用するためのスキルである。単体ではできることが限られてくるので、他のモノやサービスと組み合わせてどうカスタマイズしていくか、この発想ができるかが利用シーンを大きく変える。

QRCoder

pomera』を例に考えると、pomeraで入力した内容はテキストはUSBケーブルやmicroSD経由でMacBookに渡すことはしていない。iPhoneのアプリ『QRCoder』でpomeraQRコード作成機能を利用し、書いたテキストをQRコード化して撮影する。復元されたテキストをそのままGMailに貼り付けて自分宛に送信する。(特にブログの原稿は)書いた文章はpomeraには残さず、その場で削除する。

ここでのポイントは『QRCoder』はこれ以外に使っていないこと。pomeraの割り切りと同じで、一番強いと思う機能以外は使わない。QRコードで読み取ったテキストをpomeraに残さないのは同じ原稿でいくつものバージョンが存在するとどのバージョンが最新なのかをチェックする時間が無駄になる。これは自分用のルールで、pomeraに残っているテキストはテンポラリーレベル、それ以上はpomeraに残さない、というルールがすべてをシンプルにする。

どんなものでもモノやサービスは『装置』であり、どう利用していくか、ということにフォーカスすればルールをシンプルにしないと継続することが難しい。pomeraの絶対価格ではなくて、相対価格(=自分自身での価値価格)をリーズナブルにするには他のものとの組み合わせ→ルール化→シンプル化が必須ですね。