『ATOK』ユーザは『かわせみ』に替えるべきか

kawasemi
10年以上に渡って『ATOK』を使い続けている僕には『かわせみ』は衝撃的な登場だった。かつて漢字Talkの時代には会社ではEGBridge、自宅ではVJEをFEPとして使っていたが、VJEの方がフィットして、EGBridgeは今一つという印象だった。Windows95をきっかけにWindowsユーザになり、それ以来、FEPは常に『ATOK』を使い続けている。今年、Macbookを買った時にも最初に購入したのは『ATOK for Mac』で、これがないと何もしたくない、という感じだった。当然、毎年バージョンアップはしており、常に最新の状態で利用してきた。辞書はATOK Syncを利用しながら鍛え続け、本当に馴染んだ変換をし続けてきた。

ニュースでEGBridgeの後継製品である『かわせみ』の体験版が利用できるとのことだったので、早速ダウンロードし、切り替えて使ってみている。当たり前の話だかが、そのままでは話にならないぐらいダメダメで、環境設定ツールで『ATOK風』にしたら何となく使える感じになった。細かい部分は細々と修正する必要があり、ATOKに慣れたユーザには直ぐに代わりのFEPとして使えるわけではない。特に、英文変換(この中で言えば、FEPと変換するところなど)や一発で変換されなかった場合の対応に1クリック多いオペレーションになるところが気になる。もしかしたら、EGBridgeユーザには支障が無いのかも知れないが、ATOKユーザには若干気になる部分だろう。
一方、価格的には圧倒的に『かわせみ』の方が有利(つまり安価である)であり、Macだけを利用しているユーザにとっては敢えてATOKを選択する理由がない。会社がWindwosで辞書を共有したい場合には総合的に見て『ATOK』の方に分があるが、それとて完璧ではない。若干、気になっているのが、Macユーザが『かわせみ』にシフトした場合、ジャストシステムが継続して『ATOK for Mac』を開発し続けるか、という点である。創業者に浮川夫妻の辞任も気になるポイントである。

まとめると、Macユーザで『ことえり』利用ユーザは『かわせみ』にシフトした方がいい。絶対に効率的である。ATOKユーザはWeb上にカスタマイズポイントをいろいろ公開されてから検討した方がいいだろう。ちなみに変換能力そのものは明らかに『ATOK』の方が勝っている。ただし、コストと変換能力を考えると『かわせみ』は検討に値するできである。世の中の変化はこんなところまで来ている、と感じた一つである。