「日日是好日」 森下典子

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

僕自身お茶はよく分からないが、この本はお茶に興味があるなし関係なく読んで欲しい。僕の中で特に興味深かったのは「頭で考えるのではなく、体が自然に動くようになるまで稽古続ける」という点である。とかく効率を追求しがちな日々の中で、「頭で考えるな」という発想は却って難しい部分かも知れない。
この本のもう一つの価値。柳家小三治氏による解説である。本当に感動した気持ちが伝わってくる文章で、
違うんだよ。ここにあるべき本じゃないんだよこの本は。
と必死にこれはお茶の本じゃないし、本屋の茶道コーナーになったら埋もれちゃうじゃないか、というのがにじみ出ている。僕も同感。この解説は先に読んで、本文を読んで、もう一度解説を読む。「はじめに」に出てくる映画の話と同じ現象に出会いますよ。