「なぜ絵版師に頼まなかったのか」 北森鴻

なぜ絵版師に頼まなかったのか

なぜ絵版師に頼まなかったのか

新しい北森ワールド。ノリは裏京都ミステリー的な感じだ。短編5編が連続もので構成され、この中のキャラクター「葛城冬馬」の成長という時系列的な要素もある。実在の人物を巧みに利用することで、フィクションを「もしかしたら実際にあったのでは・・・・」と思わせるテクニックも憎らしい。サブキャラは毎回改名するので、こういう場では書きにくい。でも必要なキャラである。各話で事件は起こるのだが、何となく事件の必然性はない気がする。
仕事で疲れた時には美味しいコーヒーとこんな小説があるとうまくリフレッシュできるのでは。