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美しいものを見続けること 『イーオン・フラックス』


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たまたまTSUTAYAでSF系の何かをみたいなと思っていて手にした。それほど期待はしていなかった作品なんだけど僕の中ではかなり『当たり』だった。まず映像が非常にきれいなことが大きい。映像全体もそうだけど、主演のシャーリーズ・セロンがすこぶるいい。彼女は『バガー・ヴァンスの伝説』でのアデル役の時にきれいな人だな、という印象があったものの特別意識はしなかった。が、今回はショートヘアで黒髪の彼女はちょっと別格。黒髪と青い瞳はそこに見えない、理解が難しい余地を作っている。


監督のカリン・クサマ日系人ということもあり、オリエンタル要素もふんだんに使われ、番傘や桜などが登場する。それ以上に色の組み合わせが素晴らしい、というかすごく好き。特に白基調のシーンでの配色は絶妙だと思う。


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やっぱり映画、写真でも絵でも常に美しいものを見続けることは心を豊かにするだけではなく、判断基準の幅を広げる意味でも大事なことだと思う。色使い、構図、バランスなどはプレゼン資料や報告書の類でも必要な要素だし、美しいものに触れている人の書類にはその証があちこちに感じることができる。たとえ内容が同じであっても見た目によって受け入れるかどうかは大きく違うし。逆に色使いやバランスが悪い書類はそれだけで見る気がそがれ、内容はしっかりしていてもそのにたどり着かない可能性もある。別に芸術作品を作れ、ということではなく、少しだけ相手の気持ちで眺めてみれば違うよ、ということ。


 


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映画の内容の方は一度見て理解できる部分と何度か見て『あっ、このカットは後の内容に繋がるのね』と考えさせられる部分が入り交じっているので複数回みないとなかなか良さが分からないかも知れない。テイストと同じSFという部分では『ブレードランナー』のような感じかも知れない。監視社会への警告という部分では『エネミー・オブ・アメリカ』や『イーグル・アイ』と通じるものがあるし、クローン技術に対する『生』の価値というテーマも含んでいる。5年前の作品でありながら、今後も残っていくと思われる出来だと思う。


 


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何度観てもシャーリーズ・セロン黒髪の方がいい、と思うのは僕だけかな。