セブン&アイのニュースから気になったこと
電子マネー「nanaco」発行1000万突破
セブン&アイの電子マネー「nanaco」発行数が1000万を突破。
セブン&アイ・ホールディングスは3月31日、電子マネー「nanaco」の発行数が1000万を突破したと発表した。nanacoは2007年4月に発行を開始。カードとFeliCa対応携帯電話で利用でき、約3年かけて1000万を突破した。
この記事を見たときの正直な印象は『nanacoだけで1000万枚も発行したんだ』とビックリしたこと。僕もかつてモバイル用nanacoを作ろうと思って手続きしたけど(途中まで)、IYバンクの口座必要とのことで離脱した。お蔭で僕のセブン−イレブンの利用率は低い。
僕は積極的に電子マネーを使っている方だと思うけど、以前はedyを中心利用していたけど、今はiDがメインになっている。やはりチャージしなくてもいい、というのは『利用者の継続性』に大きく寄与していると思う(もう一つの理由としてはEdyが楽天になったからかな)。つまり電子マネーを使って決済する行為が習慣化しても、チャージの時に利用をやめてしまう判断タイミングを残している。一方、iDの場合にはサインレスクレジットカードなので、チャージという煩わしさがなく、多くの人はサイフよりもケータイの方が出しやすいところに持っていることが多いだろうから、その利便性を体験してしまえば継続して利用しやすいといえる。
ドコモの「iD」、7月から全国のセブン-イレブンで利用可能に
ドコモの電子マネー「iD」が、2010年7月からセブン-イレブン1万2743店舗に導入される。
セブン-イレブン・ジャパンとジェーシービー(JCB)、NTTドコモは4月7日、ドコモの後払い電子マネー「iD」を2010年7月から、全国のセブン-イレブン1万2743店舗(2010年3月現在)に導入することに合意したと発表。
先日の記事に続いて今度はセブン−イレブンでもiDが利用可能になるという記事。僕にとってはウエルカムな内容なんだけど、こうするんだったらnanacoを拡大する意味があったのだろうか、という疑問が残る。が、あったんでしょうね。数の絶対数が主導権を取るようなところでは1000万枚という数を持っているかどうかで、意見の中心になれるか、従属側になってしまうか、大きく違う。そしてIYバンクの口座数を確保したことがセブン&アイ・ホールディングスには大きな意味があるのでしょう。
もう一つこの記事に書かれているように獲得から決済業務までをJCBが代行しているというアウトソースの部分。改正貸金業法により総量規制設定され、カード会社だけではなく貸出金利でビジネスをしていた企業体の一つの生き残りの道なんだと思う。セブン&アイ・ホールディングスにしてみれば、人もインフラも自分たちで用意せずに本業に資源を集中し、一方では強みを更に強化する選択をする。見た目上は理想的なアウトソーシングの利用方法に見える。が、ここには全然ユーザのメリットが見えてこない。ビジネスモデルとしてはきれいにまとまっているんだけど、顧客と向き合っていないビジネスモデルはどこかで破綻する気がしているのは僕だけかな。