まずは英断した経営陣に拍手を送りたい 日経新聞電子版がいよいよスタート!

日経新聞_電子版


日経新聞 電子版のが発表されましたね。海外ではウォールストリート・ジャーナルなど新聞コンテンツの有料化が始まっていますが、日本国内での本格的な有料新聞としては初のものでこの決断をした経営陣には拍手を送りたいと思う。プロ・アマ問わずマスメディアの崩壊を口にしながら具体的な改革を打ち出せず、特に新聞は今後も部数の伸びは期待できないことから販売、広告ともに何かしらの収益源を確保する必要があり、その第一歩を踏み出したといってもいいでしょう。


ちょうど発表があった後のTwitterのTLはこの話題一色だった気がする。『4000円は高い』とか『紙との抱き合わせだ』とかネガティブな発言が特に目立ったが、『反応』という部分では受け止める必要はあるが、今の段階ではあまり深く考える必要なないと思っている。なぜなら、こう反応している人が必ずユーザになるか分からないし、現段階ではサービスが開始されているわけではないのでサービスの中身を判断する材料がないので。何となく思い出したのは、日産の社長としてカルロス・ゴーン氏が就任した後にスカイラインを発表した時を思い出した。新型のスカイラインを発表し、記者だったか評論家から『スカイラインらしくない』と批判された時にゴーン氏は『もし今までのスカイラインらしさを踏襲したクルマだったらあなたはスカイラインを買いますか。このクルマはこのクルマを欲しいと思う人たちのためにデザインして作ったクルマです』と答えた。つまり評論家の反応を気にするのではなく、ターゲットとしてしているユーザ層にフィットしているのかどうかを判断基準としてみていた。


現状の価格プランを考えると既存の購読者を優遇した措置が採られているが、既存顧客保護や既存販売網対応がベースになっているのだろう。スタート時点としては間違っていないが、今後はどういう人たちを取り込んでいきたいかによって価格を含めて見直しが必要な時期がくるだろう。多分、1年後ぐらいだと思うけど。その時にはケータイも今以上にスマートフォン率が上がり、コンテンツをみるデバイスの種類も増えるだろうから電子版向きのインフラは整ってくるだろう。そしてコンテンツをどう届けるかの価値によって価格とのバランスの再調整が始まると思っている。


一方では、ネットに蔓延している『コンテンツを無料にして広告で収益上げる』というビジネスモデル以外にチャレンジしたことは僕個人として賛成である。そして、このビジネスモデルが成り立つことを証明してもらい、正しいビジネスを成り立たせて欲しい、と願う。