Palmの歴史を電子書籍で読む 『Project Palm 1』


Project Palm 1


今日のコメントは難しい。なぜなら、『本』として中身について感想を書こうか、それともiPhone電子書籍としてのレビューを書こうかと迷ってしまう。そうだ、両方書けばいいのか。



ドキュメンタリーとしての『Project Palm

僕の最初のPalmIBMのWorkPad c3だった。たしか99年に買ったと思う。当時は外資のソフトウェアの会社に勤めていて仲間内の何人かが同時期に購入した。それまでシステム手帳を何タイプも試したけど、どれも長続きしなかった。きっとスケジュールとミーティング用のノートを一つで済ませにくい環境だったのだろう。それがWorkPadにしたら、連絡先とスケジュール、メモは完全にスタイラスでWorkPadに書き、ミーティングは通常のノートにメモすることでストレスが無くなった。


それからはVisorCLIECLIEPalm機が無くてならない生活になった。それからは基本的に手帳というものを持たなくなった(一時、ほぼ日手帳に興味を引かれ、購入したもののほぼ真っ白なものが・・・)。だから、この『Project Palm』は本当に楽しめた。特にロブ灰谷の


「ユーザインターフェースを向上させることで速度アップを図る」というプランを提案した。


という部分は鳥肌が立った。そうなんだよ、マシンパワーがすべてではなくて、人に与える感触にストレスを与えないのであれば高機能なマシンあるいはスペックである必要がない。こういう部分はiPhoneよりもむしろpomeraの方が近いかも知れない。ユーザエクスペリエンスを大事にし、利用シーンを考えたテストを繰り返して初代Palm(名称はPilot)が出来上がった。決して楽な道のりではなく、みんな思いで出来上がったことがよく分かる。

電子書籍としての『Project Palm

仕様としては古典的で、iPhoneの良さを利用していないタイプ。『ページ』という概念が強いためか、ページ単位でスクロールさせながら読む感じ。文字サイズも固定なので、文字サイズも大きく、しょっちゅうページをめくらないといけない。ページをめくる時にはスワイプ操作ではなく、矢印ボタンを押すタイプ。この辺は『Stanza』に比べるとUIに世代差を感じる。


Project Palm 1 bookmark
便利な部分は電子書籍ならではのブックマーク機能。いくつでもブックマークを付けられるので、気になるページをそれぞれ残すこともできるし、読み進めてしおりを入れる代わりには『update』ボタンを押してブックマークを選択するとそのページに情報が更新される仕組み。『Stanza』のような動きになったらかなりいい。


過去にPalm機を使ったことがある人、何かしらの思い出がある人はこのドキュメンタリーは是非読んでください。週末に押し入れの奥を探すことになるでしょう、きっと。