ゴルフ市場の未来(後編)

では、続きを。
僕のアイデアとしてはもっとショートコースを増やすことが利用者拡大には必要な気がする。ゴルフ練習場と通常のコースの割にはショートコースが非常に少ない。練習場はあくまでも練習場であって、ゴルフの『体験』の場ではないし、多くの人はそれほど頻繁にコースに足を運べるわけではないので予想よりも上達するのに時間が掛かる。そのためにゴルフに興味を持ったにもかかわらず、離れていってしまう人たちが多いのではないか。実際に僕のゴルフが上達したタイミングは、コースにたくさん行ったこととショートコースでグリーンに乗せるテクニック、グリーンでのパットが慣れたことが大きい。それと意識として、練習場とコースとの間にはギャップが大きく、あまり身近に感じないことが気持ちを鈍らせているような気がする。実際、米国出張の時に何度かラウンドしたが、彼らはボーリング場にボーリングをしにいく感覚でゴルフをする。近くにあり、料金も安いし、国土の広さも違う、という違いはあるものの、日本の環境を上手に利用する手段としてはショートコースはあり、だと思う。

ゴルフダイジェスト・オンラインが初のフリーペーパーを創刊 Findstar EC

GDOがフリーペーパー事業に乗り出した、という記事を見た。マーケティング的な視点で考えると意味がよく分からない。彼らの広告ビジネスに於ける一つのチャネルなんだろうけど、現状のゴルフ利用者で比較的コースに足を運ぶ層は有料でも雑誌を購入するだろうし、そうでない層がフリーペーパーだから興味を持つか、というとそうではないだろう。つまり目的とターゲットが曖昧だからビジネス的にはうまくいかないのではないかと思っている。ゴルフ人口が減少傾向になっているわけだから、広告による送客だけじゃなくマーケットの拡大を狙ったものがすべての利害関係者に必要なファンクションのはずなんだけど。

都市部の若者が車を購入しない現象もゴルフ離れの一因でもあると思っている。昔と違って、宅急便+電車でゴルフ場に向かうことも可能になっているが、ほとんどは車での移動だろう。ゴルフクラブや靴、着替えとった物理的な荷物がある以上、その荷物を運ぶ手段がどうしても必要になる。この部分は業界関係者だけではどうにもならない部分だが、ビジネス的に連携することである一部は解決できる面もあるだろう。
まずは身近で、有意義な時間を過ごせる、そして共通の空間で会話を楽しめるスポーツである啓蒙が必要なのかも知れない。決して仕事の延長やスコアの競争のためだけのものではない、という理解を多くの人に伝えることが先決であり、『体験の場』の実現が意外と近道じゃないだろうか。