本当にそうなのかな? 日経ビジネスAssocie 2009 7/21号

日経ビジネス Associe 2009 7/21
ちょうど土曜日は調布の花火大会だったこともあり、日経ビジネスAssocie(7/21号)の三浦展氏のコラムに興味を持った。このコラムは三浦氏が「世相予想図」というタイトルで毎回書かれているもの。今回のテーマは
"玉数"が減っても人気の花火大会 盛況の背景にある所得低下
打ち上げられた玉数は減少傾向にあるが、花火大会の人気は高まっている。その背景には、、カネのかからないレジャーを求める人々の増加がある。
下流社会」の著者でもあるので、こういう論理に持っていきたいのかも知れないが、このコラムにはその説得力がない。これは三浦氏ではなく、阪大教授の大竹氏の話を引用しているところで、花火大会の観客数を決める要素は「花火大会の魅力」と「所得」であるとのこと。観客数が増えたのは「所得」の減少のためと説明している(大竹氏)。本当にそうなのかな? 確たる数字があるわけではないので反論はできないが、もしバブル的な景気だったら花火大会の観客は増加していないか、というとそんなことはないのではないだろうか。懐に余裕があれば会場ではなく、エアコンの効いたホテルの部屋から眺めるとか別のアプローチに出る人たちもいるとは思うが、「懐が寂しいから花火でも見に行くか」という心理は分からない。この時期の若者のデートでは今も昔も一緒なのではないだろうか。
後半には三浦氏が取材した話が載っていて、
多くは浴衣や甚平をドン・キホーテなどの安売り店で買っていた。
とある。これは所得の問題ではなく、価値観の問題のような気がする。つまり、年に1度あるいは2度、もしかしたらその時だけの服に大きな投資をするよりも他の部分に投資する方を優先しているんじゃないだろうか。そして、昔は浴衣も甚平もディスカウントショップには無かったけど、今は存在するのでそこで調達しているだけなのではないか。どうも先に結論ありき、の展開になっている気がする。