読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

実務でビジネス分析をしている人には是非! 『それちょっと、数字で説明してくれる?と言われて困らない できる人のデータ・統計術』 柏木吉基

Book Business

Analysis

はじめに

これから統計を勉強しようと考えている人にこの本は向きません。「実務者向けの実務書」がこの本の真骨頂ですから。

著者の柏木さんは日産のビジネス改革チームを担当されていたマネージャーで、立場や文化の違う人たちに納得してもらうために編み出した手法を広く活用してもらおうとして執筆活動やセミナー講師、大学の先生として布教活動をしています。それも「組織」という、多くのビジネスマンが常に意識せざるを得ない大きな壁にどう立ち向かっていけばいいかを人一倍経験しているので、常に現場の視点で考えが発想され、提案していて、即使えるかどうかを強く意識されて書かれています。もしあなたが、多くの部署を巻き込んで企画を推進しなければならない立場だったり、勘に頼らないマーケターを目指しているならこの本は最適です。テクニックではなく、ベースとなる考え方をキャッチして、その上で職場のデータを使って実践してみてください。最高の指南役になるはずです(なので、最低でも2回は読んだ方がいいですよ)。

それからこの本の特徴として、プチビジネス小説(スーパータカラ屋を舞台にした新任マネージャーとその上司)のようなストーリーがベースにあって、その中の出来事を柏木さんが解説するような手法で書かれています。つまり、堅苦しいビジネス書ではなく、楽しみながら(時には「そうじゃないだろ」って突っ込みを入れたくなるシーンもあります)学べるのでリラックスした気持ちで読み進めることをおすすめします。


"それちょっと、数字で説明してくれる?と言われて困らない できる人のデータ・統計術" (柏木 吉基)

どんな内容なの?

この本の底辺に流れる哲学は「はじめに」に明確に書かれています。

●(アウトプットを用いて)組織を動かすこと
●(ビジネスの世界では)正解はないこと

だからこそ分析という「技術」を利用して、周りの人たちの理解を得る必要があるわけです。この技術にはポイントがあって、周りの人に理解を得られなければ意味がないので、分析の専門家や学者にしか通用しない手法や言葉を使わないこと。では、ポイントだけ簡単に紹介しましょう。

 

数字は、組織や人を動かす強力なツールになる

正解がない世界で相手に納得してもらうための共通言語は「数字」なんです。でも、「数字」はいかようにも作り出せてしまうので注意しないといけない点はこの本から学んでくださいね。

 

「データ整理」と「データ分析」は違う

僕は「集計」と「分析」は違う、という言葉を使いますが、柏木さんの思いと一緒です。一言で言えば、「価値を創出できるものかどうか」。この章だけでも読む価値があります!

 

実務でのデータ分析の直接の目的は、「立てた仮説の検証」

そうなんですよ….課題抽出型の分析って意味がないんです。この本は分析にまつわる実務書なんですが、仮説思考がないとダメなんですよ、って一貫して書かれています。一度目はこの考え方をキャッチアップするだけでもプラスになるはず。

 

実はメモしたところはいっぱいあるんだけど、いつまでも続きそうなのでここで止めます。

結局誰が読むとプラスなの?

柏木さんの過去の著作は比較的ワンテーマの作品でしたが、今回はそのフィードバックを受けて少し上の目線から組織の中の業務を見つめ、実務に落とし込んでいるような気がする。ということもあって、実際に業務で分析に携わっている人が一歩引いた視点で自分自身の仕事を見つめ直すにはもってこいだと思う。ターゲット層はそんなに広くないかも知れないけど、ターゲット層の人にはかなり有益なきっかけを与えてくれると思いますよ。