『byflow』を使ってみたけどサービスとしては微妙かな・・・

byflow

『byflow』を約2週間ぐらい使ってみたけどちょっと微妙だなあ、というのが正直な感想。着眼点はなかなかいいんだけどね。これまでのレコメンドエンジンにあるようなモノ同士の併買をベースにした協調フィルタリングではなく、『人』のソーシャルグラフをベースにしてその人が持っている『モノ』から類似性の高い商品を提示してくれる。これによってインプットの労力をかなり下げることには成功していると思う。またソーシャルサービスにある『フォロー』、『フォロアー』の考え方、プラス『コメント』機能を持たせ、全体の活性化を狙っているのも理解できる。

 

しかし、アウトプットというか利用者の活用シーンが見えてこないのが一番残念なところ。最終的には『人』をベースにした趣向の傾向から未購入の商品を自動的にレコメンドするところに到達したいんだと思うんだけど、あまりにも技術にフォーカスしているために実態にマッチしていない。具体的な例でいえば、本やCD/DVDと同じ一覧に食品があったり、同一商品だけどSKUが違う商品は別のものとして扱われている。実際に僕のホームに出てきたのは、iPad 16GB Wi-fiモデル。僕もiPadを持っているけど、64GBのWi-fiモデルで、iPadを持っているかというと「持っている」に属するんだけど、16GBモデルを購入する人と64GBモデルを購入する人はきっと求めているもの(あるいは期待するものといってもいいかも知れない)が違うんだよね。

一方、単純な色違いでSKUが別になっているものは同一商品として統合すべきだろうし、iPhoneの黒モデルと白モデルは意味が違うので分けるべき。つまり、機械的な処理だけではなく人的な『編集』がないとなかなか実態にフィットしないと思う。

 

別の角度で見ると、UIがいけていない。インプット用のUIは今のままでもいいと思うけど、利用するシーン、つまりアウトプットのUIが全く設計されていない。要はサービスとしてのグランドデザインがされていなく、技術オリエンテッドな仕上がりになっている。

 

評価に関しても基本的に『好き』か『嫌い』の二者択一も疑問。モノの評価をすべてどちらかに振り分けるのは厳しいと思うんだよね。『好き』の度合いもあるだろうし、時期にも左右されるよね。特にこの時期というのは世間的な時期と個人としての時期の両方があって、今だったらいくつかのFacebookの本は「よく書かれている」と思うけど、多分、1年後にはそういう評価じゃないよね。Facebookの機能は変わっているだろうし(今でのFacebookページの記載は耐えられない状態になっているものもあるし)、個人としても習得してしまえば価値も変化するだろうし。

 

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あとね、メッセージもダメだね。単純に「持ってる」登録をすると購入日は「不明」になる。その状態で商品のページにいくと、上の部分に『購入日不明に買いました』と表示される。普通に見ておかしいでしょう。ここの表示部分のプログラムにIf文を入れて「購入日=nullならば」を入れて、「購入日は不明です」とか「購入日は入力されていません」とかやり方はいくらでもあると思う。技術的にエラーになるかどうかとは別にUIとしてテストいうとかチェックをすべきでしょう。

「おすすめアイテム」のところも、「58人中6人も持ってます。」って表現なんだけど、約10%で『も』なのかな。ちなみにここは数字部分以外は固定の文章ですね。

 

技術的な着眼点は良かったけど、サービスとして見た時には全然まだまだですね。