何事も基本が大事だと考えさせられた一日 『ナイト&デイ』


 


面接は最悪でした。こうもしゃべれないか、と思うぐらいに話がまとまらず時間だけが過ぎた感じ。緊張状態云々ではなく、話ながら内容をまとめ、まとめながら話す訓練は日々行っていないとイザという時に使えないことがよく分かりました。


 



そんなことがあり、気分転換に気になっていた『ナイト&デイ』を観ることにした。個人的に『Mission: Impossible』以降のトム・クルーズが好きで、今回の作品も予告の時から気になっていた。『マイノリティ・リポート』、『ラスト・サムライ』、『大いなる陰謀』などシリアスなシーンがある作品よりも、トム・クルーズの醍醐味はアクションだと思っている。それもCGや特撮となるべく少なくし、オーソドックスな映画の作り方の方がベターだろう。そういう意味では今回の『ナイト&デイ』は理屈抜きで楽しめた作品だった。


諜報部員のロイ・ミラー(トム・クルーズ)は未来型電池を開発した若者の警護にあたっていたが、一緒に警護にあたっていた仲間は裏切り、あっという間にロイが裏切り者にされてしまう。そして逃亡劇が始まる。電池の試作品を持つロイをロイの組織とギャングの組織が追いかける、という古典的なストーリーだけど次々に登場するテンポのいいアクションシーンが退屈さを吹き飛ばす。並行して、キャメロン・ディアスが演じるジューンとの絡みが面白さを増幅させる。キュートでありながら、敵に立ち向かう(それも勇敢にではなく)ジューンの役はまさにキャメロン・ディアスにピッタリな役。トムにとっての『Mission: Impossible』、キャメロンにとっては『チャーリーズ・エンジェル』という青写真的な作品の印象を潰さず、覆さずにこなしていることを考えると二人の演技力もさることながら、監督の巧さなんだろうと感心させられる。


たくさんのロケを行っている部分は『007』を思わせるけど、仕上がりは全然違う。ネット上の資料を見るとアクションシーンのほとんどをトムが実際に行っているらしく、根っからのアクション好きなんだろうと想像する。だからこそ、トムらしく仕上がっているのかも知れない。


ストーリー的には細かい部分をかなり端折って構成されており、その代わりに数多くのアクションシーンが埋めている。映画は理屈で観るんじゃなく、楽しむものだよ、というメッセージを感じる。一方で、若者のラボで身を隠した先をロイに伝えるシーンは非常にディテールに凝った作りになっていて、撮るべきもの/残すものとそぎ落とすものをかなりはっきりと分けていることがこの作品の特徴でもある。


 


御託を並べて映画を観るのではなく、素直な気持ちで楽しむ、そんな作品である。映画が終わった後、面接の失敗はどこかに行ってしまった。。。


途中で流れるHall & Oatesの『Private Eyes』は感激!