気持ちの伝え方 菓子折 dancyu4月号

毎回楽しみにしている平松洋子さんの「台所の時間」。今回は「菓子折」をテーマにちょっとした話をから気持ちの伝え方の話をされていた。「人の気持ち」は目に見えないもの、これは当たり前のことながら、そこをモノを使って表現する一つがこの「菓子折」である、と。「菓子折」の横にはサブキャッチが添えられており、「ものであって、ものでない」と書かれている。ここは本当にそう思うし、使い方は重要な部分だと思う。他人に何かしかをお願いする時に「手ぶら」ではなく、何らかの「おつかいもの」を持っていく。例えば、こちらの地元のものであったり、先方の好みのものだったり、あるいは先方の好みから想像される喜んでもらいそうなものを選択するだろう。だから、ありきたりのもの(たとえ高価な品物であっても)だと気持ちのレベルもそんな感じなのか、と思ってしまうのは僕だけじゃないだろう。
今は時代も違うのかも知れないが、僕の最初の会社では会食の席に必ずお土産を用意していた。これは上の話とシチュエーションが違うだけで、気持ちの部分では同じである。普段の仕事の会話の中から得られた相手先の好みなどから、喜んでもらえそうな品物を夕方に用意していた記憶がある。決して高価なものではなかったが、選ぶときにはそれなりに想像力を駆使して選んでいた。
平松さん曰く、それだけではなく、渡す際のひとことがポイントと。「つまらないもの」や「大したものではありませんが」ではなく、「きっとお好きだと思って」のひとこと。そうですね、相手が喜んで笑顔が見られたら最高のご褒美ですね。