「ほんとうの環境問題」 池田清彦・養老孟司

ほんとうの環境問題

ほんとうの環境問題

昨日、ジュンク堂で買った一冊。最近の「何でもCO2で表現する風潮」に違和感を感じていたところなので多くの部分で拍手を送りたくなった。例えば、

炭酸ガスの問題にしても、日本人がどれぐらい排出していて、世界の総量の中でどれぐらいの比重を占めているのかということを自分たちで把握しなければいけない。

と表現している。まったくその通りであり、局所的なアプローチではなく、大局的なアプローチで環境問題を捉えるべきあろう。中でもゴミ焼却場の話やペットボトルリサイクルの嘘の話は興味深い。過去の間違いを訂正しない点の指摘もいい。問題もある。二人とも理系のアプローチをしていながら、数字の扱いがいい加減だ。興味をもってもらうために端折って書いているのかも知れないが、現状のアンチテーゼを論ずる上では数字はもう少し正確に書くべきであろう。
ともかくたくさんの人に読んで欲しい一冊には間違いない。