「龍の契り」 服部真澄

龍の契り (ノン・ポシェット)

龍の契り (ノン・ポシェット)

一度処分した本をまた購入してしまった。それぐらい面白い。作品としては随分と古いものだが、香港返還をテーマにしたこの話は未だに「本当はそうだったのかも知れない」と思わせる醍醐味がある。もう一つの面白さはハッキングに手口(この頃はハックとクラックの区別がありませんでしたね)。プログラムの脆弱性を突いて侵入するのは大したレベルではなく、「超」は人間をどうだますか、という視点で物語が展開していく。
最初にこの作品が世の中に出た1995年はインターネットが日本でも商用化が始まった頃で、コンピュータウイルス一つとっても遠い世界の話だったが、今では家庭のPCでもアンチウイルスやファイヤーウォールは当たり前になってしまっています。でも最近はウイルスを検知してポップアップが出ることもなく(怪しそうなところには行かないので)、その割にはPCのリソースを常時消費している。コストはともなく、リソース消費はちょっと無駄な気がする。「これってビジネスになるのでは?」と話したら、とある人には興味を持っていただいた。実現したら、是非利用してみたい。
全然、作品とは関係ない話題になってしまったが、良い作品だと思う。興味を持った方は「鷲の驕り」もお勧め。