『折込チラシ』の性格



『プロモーションの最適化』 マーケター+ジャズ・シンガー


 


はせれいのブログは楽しんで読ませてもらっているんだけど、ちょっと相乗りして考えてみたい。折込チラシはその元となる新聞が何かで反応が違う、という結果なんだけど、『そうだろうな』という部分と『もうちょっと考えられる』部分がある。『そうだろうな』部分で言えば、全国紙の場合、景品で釣られる層もあるけどいずれは好みでどこかに落ち着く。僕のところの場合で言えば、朝日と読売を交互に契約していたけど、最終的には読売に落ち着いている。そう考えると一番手っ取り早いのは現在の利用者が購読している新聞が何かを調べて、その新聞に折込を入れるのが可能性としては一番良さそうな感じになるだろう。


一方、『もうちょっと考えられる』部分は『本当に折込チラシ』がベストなメディアか、という点だ。まず確認しなければいけないのは、現利用者の世帯が本当に新聞を購読しているかどうかである。僕の奥さんに学校や幼稚園で付き合いがある人は新聞を購読しているのか、と聞いたところ予想以上に購読していない。独身者や共働きの夫婦だけの世帯であれば購読率は低いだろうが、子供がいる家庭でもかなり購読されていないようだ。つまり、発行部数やメディアデータを信じるのではなく、本当の実態(その商品やサービスを提供する上での)を把握していなければ魚のいない池に釣り糸を垂らしているようなものである。


ちがった角度で考えてみよう。


相手に伝えるメディアとして『折込チラシ』が適切なのかどうか。『折込チラシ』はその性格上、受け手にニーズが無ければほぼリーチができない。よく考えてみれば分かることだけど、新聞に広げて最初にする作業は挟まれている多くのチラシから自分に必要なものをピックアップすることのはず。(僕の)奥さんはスーパーのチラシをピックアップするかも知れないけど僕はしないし、奥さんはPCデポのチラシを見ることはない。家を探している時期であれば不動産の広告は見るかも知れないけど、買った後であればほとんど見ることはないだろう(最近の相場に興味がある場合は別だけど)。つまり『折込チラシ』にはニーズが無い状態からニーズを想起させる力はないのである。


そう考えていくと、


  • 配布エリアにターゲットがどれだけ存在しているか

  • ターゲットにリーチできるメディアか

  • チラシの盛り込める情報量でターゲットに伝えきれる商品やサービスなのか


などをよく検討する必要がある。


 


似たようなメディアでチラシのポスティングがある。僕のところのポストにもほぼ毎日のように入っている。折込チラシとは単価が違うけど、想定ターゲットを選別しながら配布することが可能だ。ただし、都心のように住宅が密集している場所か大きな集合住宅でなければ効率が悪いことは考えておかなければいけない。これも僕の奥さんとの会話で気付いたことだけど、『住宅を売りたい』は折込チラシで入ってくるけど、『住宅を売ってください』はポスティングだよね、って事実。どちらもターゲットにニーズが無ければ反応はしないけど、必要な数と目的で似たようなメディアだけど全然使われ方が違う。


地味ながら『チラシ』ってメディアは商品やサービス、商圏などを考えた場合、まだまだ有効な部分は残っているなあ、と思った次第。