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お金を友だちと思ったら・・・ 『松浦弥太郎の新しいお金術』 松浦弥太郎




"松浦弥太郎の新しいお金術" (松浦 弥太郎)


 


約1年半前に松浦弥太郎さんの本に出会ってからというもの、密かに彼のファンで彼の著作はほとんど読み尽くしている。内容もいいんだけど、文章の調子というかやんわりとしたリズムがすごく心を落ち着かせてくれる。さらにブレない軸があって、読むたびに心を矯正してもらえるようで、まるで心の整体を受けているよう。今回は「お金」をテーマにしながら、でもいつもの松浦さんらしい話が聞ける、そんな一冊に仕上がっています。


 


きっと多くの人が「お金」というものに対して上手に付き合えていないのではないだろうか。「もう少しだけお給料がもらえたら」とか「これだけもらえたらきっとこんなに悩まないのに」なんて考えることも多いかも。実際にamazonで「お金」と入力して本を検索してみると約6000冊が結果として出てくる。それだけニーズも高いのだろう。ちなみにこの本の中には「節約」や「儲かる」ような例は紹介されていません。そうではなく、「お金」とどう付き合っていくのか、を松浦流に綴られているだけです。


 


まず「お金」をモノはなく、友だちのようにとらえて「お金さん」と呼ぶことから始まります。だから「お金さん」が喜んでくれるような使い方をしましょう、と説く。具体的にはこんな風に分かりやすく書いてくれています。



たまにとても疲れていて、無性に甘いものを食べたくなることがあります。ほんとうは、たいしておなかもすいていない。何かを買えば、甘いものでも食べれば、いっときストレス解消になってすっきりします。けれど冷静に考えれば、ちょっと我慢して家に帰り、スープを作って食べたり、野菜でもゆでて食べたほうがくたびれた体にはよほどいいのです。よじれかけた心も、ひとときのストレス解消でごまかすより、原因に向き合い、じっくり解きほぐしたほうが軽くなります。こんなふうに買われてしまうお菓子もかわいそうです。せっかくのおいしさも、後悔するであろう、ごまかしとともに味わうことになってしまうのですから。


まさしく心がやさぐれている時にこんな行動になります。時にはお菓子ではなく、お酒かも知れません。そんな時こそ「本当に必要なの?」と問いかけてみるゆとりが必要なんでしょうね。


 


働いてお金を得るシーンで直面する「競争」というシーンでもためになることを書いています。



人とくらべないこと。成功している相手をうらやむのではなく、尊敬すること。その人に対して「いいなあ」と思う気持ちを、「よかったね」と祝福する気持ちにかえること。競争心、嫉妬心、うらやむ心を無理やり押し殺す必要はありませんが、支配されてはいけません。


「お金」の話をしながら心の持ち方、考え方まで広げて説明してくれています。そして最後まで決して難しい言葉も文章も使わず、それでいて気持ちの奥にしみ入るような言葉が続きます。きっと読まれた人はその日からお財布を大事に扱うようになって、お金の使い方もていねいになることでしょう。


 


高級スイーツを一回我慢してこの本を手に取ってみませんか。


不思議とこの本を読んだ後に書いているこの文章も普段よりなんとなく優しくなっています。