メモで大事なのはそこじゃないでしょう 『仕事は「捨てメモ」でうまくいく』 相葉光輝




"仕事は「捨てメモ」でうまくいく" (相葉光輝)


 


いつもお世話になっている『本が好き!』からのメールに「書評コンテスト」なるものが書かれていて、思わず脊髄反射で購入した。中身も目次も一切見ずに・・・。結果は、超イマイチだった。一つは役に立つことが無かったこと、もう一つは内容に重みを感じないことである。「メモ」の活用術でもなく、具体的な内容はあまりない。そして最後は「捨て方を極めると、夢がかなう」と自己啓発本を書きたかったんだ、と思わず苦笑いしてしまった。


 


著者の言い分は、



  1. 情報を捨てる

  2. 「きれいに書く欲」を捨てる

  3. メモそのものを捨てる


メモは、三回捨てればうまくいく


というものである。メモは目的があってするんだよね?だから、


  • 目的を認識する

  • 目的に合わせたメモを心がける


が一番大事なんじゃないのか。ミーティングでとるメモは立場によって、その後議事録を作成する人もいれば、次の自分のアクションをチェックするためにメモをする人もいる。つまり目的が違えば、書く内容も書き方も違ってくるはず。そして何よりも大事なのは『書いたメモをレビューすること』だと思う。メモに書いただけですべて記憶してしまう人はほぼいないと思うので、もう一度読み返しながら内容を整理し、その後どうすればいいか(何かの準備を進めるや必要な箇所だけ抜き出してEvernoteに入れるとか)を具体的にイメージして行動することだと思う。


 


もっと気になったのは、「なぜユダヤ人は一枚のメモにも躍起になるのか」という章で太字で「これを徹底しているのがユダヤ人です」と書いている。すいません、何人のユダヤ人を見てきたのでしょうか。それがユダヤ系の人たち全般の現象と言えるのでしょうか。これは些細な部分かも知れません。が、メモの部分以外の事例的に使っている引用部分は明らかに一次情報ではなく(取材や綿密な調査をしているわけではない)、雰囲気で書いているとしか思えない。だったら、余計な装飾がない日経ビジネスアソシエみたいな雑誌の特集の方がスッキリしていて読み手は時間もお金もセーブして必要な情報を得ることができる。


 


この本は少なくとも僕にはフィットしなかった。それ以上にこの程度の内容であれば本にすることもないんじゃないのかな。雑誌の特集で十分でしょう。