「成功」ってなんだろうか・・・ 『人生を変える!夢の設計図の描き方~1年後に「自分らしい生き方」ができる方法』 鶴岡秀子


 



"人生を変える!夢の設計図の描き方~1年後に「自分らしい生き方」ができる方法" (鶴岡 秀子)


 


「成功」、「夢」、「習慣」って自己啓発本によく使われるキーワードだよね。僕もこれまでかなりの数、この分野の本を読んできた。ちょっと食傷気味になったので最近は少なくなったけど・・・。僕の本棚を娘が見て「お父さんの本は『成功』って書かれている本が多いね。ところで『成功』って何なの?」と聞かれて答えられない自分がそこにいた。実はこの『成功』という言葉がずっと消化できていなくて、うまく自分のものになっていなかった。「お金持ち」でもなく、「いい暮らし」でもない。何なんだろう・・・って。



私にとって成功している状態は、「自分らしくあること」です。


ここに答えを見つけたというか、こんな基本的なことをどうして言葉にできなかったんだろうって不思議に思う。この言葉が腑に落ちると「自分軸」の必要性という具体的なものが見えてくる。これまでいろいろな本を読んで、いろいろな人に会って話をしてきたことはこの「自分軸」をはっきりとさせて、その「自分軸」に自信を持つことなんだ、と読みながらすごくスッキリとした気持ちになった。たった数時間この本を読んだだけでいろいろ気持ちの整理がついた。


 


ちょっと前に本書の著者である鶴岡秀子さんと直接お会いして話す機会があり、順番は逆になったけど著作を読んでみようと思ったのがこの本を手にしたきっかけ(本以外のネット上で検索できる情報はほぼすべてお会いする前に読んだけどね)。実際に直接話してみると本当に楽しそうに、そしてリズムよくお話をされる。そして聞いている方も自然と楽しくなるから不思議である。しかし、それ以上に今回著作を読んで感動したのは、その時の話と本書に書かれている内容に寸分の狂いがないこと。話の順番、流れ、ポイント、そして話の時にもオーバートークがない。つまり、この本を読むということは鶴岡さんと話しているのと全く同じこと。これは本当にすごいことで(=話す、あるいは書く内容にぶれがない)、これが信用に繋がっている一つのポイントだと思う。


 


付箋を貼ったところはたくさんあって書ききれないのでその中で2つだけをピックアップしたい。



実は、不幸の始まりは人との比較から始まります。人の基準でどうかではなく、自分の価値観=判断軸=自分軸に照らしてどうなのか?ということが何より大切なのです。


ここは「比較」することがダメなのではなく、「自分軸」と照らし合わせて判断する、つまり相手のいいところ/弱いところ、そして自分のいいところ/弱いところをちゃんと理解してそれぞれ受け入れる必要がありますよ、と理解した。白か黒かという二元論(あるいは好きか嫌いかのような)で相手を見るのではなく、もっと広い視野で見る必要がありますよね。



たとえば私が洋服の販売員だったとき、私がお客様に売っていたのは洋服ではなく、「ワクウワク感」だったと思います。お客様は洋服を買いたいのではなく、洋服を買っている時、着ている時のワクワクした「感情」を買いたいのです。


僕も学生時代の後半は洋服の販売員をしていたので、これは非常によく分かります。物理的な販売は洋服なんだけれども、実際の購買に心が動くにはそれだけじゃなくそこに「人」が重要な役割を果たす。僕はその人が過去に購入した服に近いものを持ってきてその場でコーディネートしたり、どういう時に着たらいいかをイメージしながら話しをしていた気がする。つまり利用イメージをできる限り具体化してあげて共有することをしていたなあ。


実はこれからのビジネス(特に価格以外の部分で勝負をするようなもの)はこれができるかできないかが分かれ道になると思っているので、この「ワクワク感」には素直に付箋を貼りました。


 


最近、仕事でディスカッションしている時、「本当に楽しそうですね」って言われることが多い。自分で思っているよりもきっと楽しんでいるのだろう。これが継続できて、そしてこの気持ちのまま生きていければ、それが成功なのだろう。


この映像が琴線にふれたなら本書は十分に楽しめると思いますよ。本書に出てくる『伝説のホテル』とは・・・。