受付の効用


仕事柄、いろいろな会社に訪問することが多いんだけど、最近は受付嬢がいるオフィスはめっきり少なくなっていますね。昔はモデルと見間違うほどの美女を置いてる会社もありました。現在は電話機がちょんと置かれていたり、警備員の方が受付を代行する会社もあります。コスト削減や投資対効果の名の下に多くの会社でこのような流れになっています。


 


先日、数年振りにかつての会社の親会社に行った時の話。年輩といっては失礼ですね、僕も知っているベテランの受付嬢(Aさんとしておきましょう)が今でも受付席にいました。隣には新人級の受付嬢(Bさん)。Bさんは僕の顔も同然ながら知らないので、決まったように受付票を出して、「こちらにご記入をお願いします」と。Aさんは颯爽と手で制し、「今日はどちらまで」と尋ねる。僕は「xx事業部xxさんのところに」と答えると、「会社名が違うので分かりませんでした。伺ってますから記入は結構ですよ」と返答。僕が「今は自分の会社を作ったんですよ」と説明すると、「それはおめでとうございます」といつもの笑顔を返してくれました。


一時期、グループ会社の執行役員をしていたとは言え、数年振りの来訪でも心地よい一瞬が得られた。


 


今度は今の仕事のクライアント先。いつものように会社名と名前を伝えると、「すぐに担当者に連絡してもよろしいですか」と。最近少し早めに到着して、また複数の会社との合同ミーティングが多かったので、よく「他の会社の方も到着してからでいいですよ」と何度か伝えたことを覚えていて気をまわしてくれたらしい。待合いスペースを見ると一緒のミーティングに参加するメンバーが既に到着していたので、「今日は大丈夫ですよ」と返答すると、にこやかに「かしこまりました」と電話をとられた。


 


日々ネットに繋ぐとブランディングやファン作りなんて言葉を目にしない日はないぐらいだけど、その会社に足を運ぶ身近な人がまずファンにならないとダメなんじゃないかな、って思うんだよね。効率は重要だけど、ある程度の規模の会社であれば受付嬢のコストなんて微々たるものじゃないでしょうか(広告宣伝費に比べたら僅かだと思う)。まずは足もとのファン作りが成功の秘訣に思えたので備忘録として。