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10年経っても古びない 『急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則』 マルコム・グラッドウェル




"急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫 ク 2-1)" (マルコム・グラッドウェル)


マーケティングや企画に携わっている人、ソーシャルメディアに興味がある人で未読の方は是非一度目を通していただくことをおすすめ。この本は日本でも2000年に単行本として発売されたものの今でも十分、いや今だからこそ多くの人がその内容に納得するでしょう。これ以前には『キャズム』というワードがあり、モノが売れる各ステージの購入者をカテゴライズし、「イノベーター」から「ラガード」までの5段階で表現していた(今でもこの分類は普通に使われているけど)。本書の著者マルコム・グラッドウェルはモノが売れるステージの中で急加速するポイントがあり、そのポイントを『ティッピング・ポイント』と命名している。これだけであればただの評論家で終わってしまうんだけど、マルコム・グラッドウェルがただの人じゃないのはその謎を分析し、どういうタイプの人がトリガーになっているのかを解き明かしている。特にTwitterやFacwbookのようなソーシャルメディアが大きな影響を与えるようになった近年、「ソーシャルグラフ」という言葉よく登場するようになった。そのソーシャルグラフの中で特にキーになる人をマルコム・グラッドウェルはコネクター、メイヴン、セールスマンという3つの特徴的な役割を持った人で表現している。気になる人は是非読んで理解してください。そして自分はどこかに属するのかも併せて見つめてみると面白いですよ。


 


またマルコム・グラッドウェルはブーム(彼は爆発と読んでいますが)が発生する原則として次の3点を挙げている。


  • 少数者の法則

  • 粘りの要素

  • 背景の力


僕の中ではこの粘りの要素という部分に非常に興味が引いた。Facebookの例に考えると、Facebookの魅力の一つにZingaが提供しているソーシャルゲームの力があると思っている。日本の某会社がソーシャルサービスの会社からゲームの会社になったのと違い、Facebookに於けるZingaの位置づけはソーシャルサービスの補助的な役割を維持している。そしてこのZingaのゲームよるFacebook上の「粘り」にも一躍買っていると言えるだろう。


 


本書は事例や歴史、実験といった事実を元に論理が展開されていて、また比較的平易な言葉で語られているので専門家でなくても分かりやすい文章に仕上がっている。意図的にブームを作れるかどうかはさておき、本書の内容のような知識があった上で世の中の現象を見ていくとまた違った景色に見えると思う。決して古びない内容であることは間違いない。