本屋じゃなくて雑貨店だよなあ『ヴィレッジヴァンガード 下北沢店』


書店巡りの第2弾はヴィレッジヴァンガード。うちから一番近いということで下北沢店に。実はこれまでゆっくりとヴィレッジヴァンガードの中を見たことが無かったんだよね(行ったことがないわけじゃなく、じっくりと見ることが無かった)。どうもドン・キホーテと一緒で雑然とした中でいろいろ商品を見る雰囲気は好きじゃない。今回は雨の日に行ったので写真はありません。


 


ヴィレッジヴァンガードはご存じの通り、『遊べる本屋』のコンセプトのもと全国展開するお店である。書籍と一緒に雑貨やCD/DVDが置かれ、テーマ毎に店舗の中は区切られている。これまでの書店のような単行本コーナー、文庫や新書の棚なんてものはなく、テーマ単位でそれこそ大型本から文庫まで一緒に並べられている。もちろん出版社の枠も飛び越えている。よくある書店に比べればPOPの数は半端じゃなく(というよりも、ほぼすべてにPOPがあるんじゃない、と感じるぐらいありますね)、書店というよりは雑貨店に近い雰囲気になっている。本や書店と距離がある若者には支持されやすいのかな、と思う。一方で、本好き、書店好きにはあまり好まれない気がする。「うるささ」を感じる部分もあるし、POPも「余計なお世話」に見える。少なくとも僕はそう感じるし、今後好んで行こうとは思わない。


 


まず本そのものにも装幀があり、著者や編集者は何らかも意図を以てそのデザインにしたはず。そして、本によっては帯が付いていて、その帯にもコピーが施されている。この帯がそもそも宣伝媒体になっているはずで、更にPOPの宣伝媒体はくどい感じがある。これはヴィレッジヴァンガードだけじゃなく、他の書店もそうなんだけど全体のバランスを失ったPOPは嫌悪感の方が先に生まれて本を手に取る気持ちにもなれない。


新刊コーナーを除けばどうそのコーナーを作り出すかは書店員さんの腕の見せ所だと思うんけど、そこは『押しつける』んじゃなくて、『分かる人には分かる』、そうでない人には『選びやすい』が基本だと思う。だから僕はむやみやたらPOPが多い(何にでも付いているような)お店にはあまり行かないようにしている。本を選ぼうという気持ちよりもイライラのスイッチが押されてしまう。


 


話を元に戻すと、ヴィレッジヴァンガードだけどコーナー毎に流れている違う音楽も選ぶ気持ちをそぐ。雑貨店にある『何があるか分からない楽しみ』は理解できるんだけど、複数の音楽が重なりあった空間で静かに本を選ぶことは僕にはできない。つまり、本屋として成立していない。それからテーマ毎にコーナーを分けるのはいいんだけど、POPに加えて内容の紹介が多いもの僕にはNo Thank You。まるであらすじがいっぱい書かれた書評みたい。それってこれから読む人に失礼でしょう。


書店と見なければ楽しいお店であることには違いないヴィレッジヴァンガードだけど、僕の中では書店として見ると及第点を満たしていない。『遊べる本屋』じゃなく、『本が置いてある雑貨店』だと思えばこんなイライラもしないのかも知れませんね。