想像以上に使いにくかったレコメンドする自動販売機


次世代自動販売機


前から気になっていたレコメンドする自動販売機を実際に品川駅で確かめてみた。いや〜笑っちゃうほど使いにくい。世の中、いろんな機能を盛り込んで多機能にすればするほど使いにくくなる典型的な例じゃないかな。そもそも自動販売機で何からしらの飲み物を買う時って買うものを決めているよね。コーヒーが飲みたいとか、前日の晩は飲み過ぎたから水が飲みたいとか。自動販売機の前で選択する時はコーヒーなら甘いものにしようかブラックにしようか(はたまた微糖か)、サイズはどうしようかぐらいだと思うんだよね。ということで、今日はこのテーマで。


 


自動販売機で求められるものと課題


自動販売機で買う時に『もっとこうだったらいいのに』って思う部分はお金を入れる部分と取り出し口かな。最近はお金を入れる部分を工夫してコインを横にしてジャラジャラって入れられるタイプもあるよね。あれは十円玉をたくさん使う時には便利で、改良だと思う。一方、商品の取り出し口とお釣りの返却口はかなり下にあって大人は屈まないと難しい。これが子供胸ぐらいの場所にあるとかだっらた大人も子供も便利なんじゃないのかな。お釣りの返却口の位置は足を悪くしている人とか荷物を持っている人にはかなり不便なところにある気がする。日本の全体が高齢化している現状を考えるとこういう部分を先に対応した方がいいんじゃないのかな。


 


レコメンドの目的ってなんだっけ?


この次世代型自動販売機はカメラが付いていて利用者の年代や性別を判別して商品をお勧めするらしいけど、本当に余計なお世話です。そもそもレコメンド機能に求められることって、

利用者に対して目的の商品を探しやすくし、利便性を向上させる
ECサイトなどでキーワードを入力することでキーワードから連想される関連商品も含めて提示して何度も検索する手間を省く。
関連商品を提示して、プラスの購買を想起させる
どうも最近はここに意識がいき過ぎている感があって嫌なんだけど、書籍などで同じテーマの本をまとめて読んで短期間に知識を得たいというニーズもあるので否定はしない。多くは僕にとってノイズではあるけど。
アルゴリズムを利用して利用者が想定していなかった商品を提示する
直接的な関連性は薄いものの過去の傾向をもとにして「気づき」のようなものを与えることもできる。サービス提供者はこれによってアップセルを期待するけど、まずは利用者にとって便利な機能として評価してもらうことが先だろうね。


だと思うんだよね。で、これらを自動販売機のケースで考えてみるとどれにも当てはまらない。だって、買う時には買う個数も決まっているし、銘柄は別にして商品もほぼ決まっているでしょう。レコメンドされたからもう一個自動販売機で買わないよね。


 


デジタルサイネージは必要なの?


もうどこもかしこも広告だらけで嫌になるんだけど、品川駅で見たこの自動販売機はホームの端にあって、そもそもあんまり人がいない場所だった。それから晴れた日だったのでサイネージ部分が光っちゃって離れたところから見ると何が映っているのか分かんなかった。これって広告になっていないんじゃない?ここにニュースなどが流れていれば別だけど、そもそも飲み物を買おうって意識がないとそっちに目がいかないと思うんだよね。もしサイネージとして利用するのであれば、買おうって意識がなくても目がいく仕掛けが必要なんじゃないかな。


 


で、どうなの?


まず最初に感じたのは操作方法が分からなかった。先に商品を選択するのか、Suicaをかざすのが先なのかUIからは全く伝わってこなく、説明もない。UIで自然と行動が促せるようなアフォーダンスがないデザインってそもそも失敗だと思う。そして、従来の自動販売機の課題は何一つ解決されていない。本当に利用者の行動を考慮したデザインを反映していたらこうは思わなかったけど、商品の写真を液晶表示しただけとか全く工夫が見えてこない。レコメンドもサイネージもいらないからまずは使いやすさを追求して欲しい。