中目黒の『COW BOOKS』に行ってみた


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大崎梢さんの「成風堂書店」シリーズを読んでから、本以上に書店に興味がでてきて、気になる書店に足を運び、ブログに書いてみようと思った次第。そしてその初回(本当に続くのか本人も疑問だが)は中目黒の『COW BOOKS』。そう、『暮らしの手帖』の編集長でもある松浦弥太郎さんの本屋さん。


 


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中目黒の駅から5分強、目黒川沿いのおしゃれな店が建ち並ぶ中にある。ロケーション的には「すごく便利な場所」ではないけど、扱っている著者が限られているので中目黒という場所やちょっとした距離がある意味でフィルターの役割も果たしているように思える。お店はすごくこぢんまりしていて予想していた感じとは少々違った。店の前にはちょっとした本棚に収められた文庫と木枠の箱に詰められた大型本がなければ本屋であることがわからないかも知れない。


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中に入ると小さなスペースに整理整頓された感じで本たちが並んでいた。所謂、古書店というイメージではなく、新刊・古書という概念が完全に無くなった空間を作り出していた。事前にサイトでチェックしていたので、僕の目的は「片岡義男」の本。それらは入口付近の棚の中段に、数冊『お行儀よく』並んでいた。『お行儀よく』というのは本当にそう思った印象で、数冊でなんとなくバランスをとって並んでいるかのように見えた。その中から一冊、大事に引き抜いて手に取った。


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『彼らと愉快に過ごす』は1987年12月発行の第一刷(もちろん今では新刊は発行されていない)。それは過去に読まれずにデッドストックになったようなきれい本でした。87年といえば、僕はのんきに大学生だった時期で本屋では書籍よりも雑誌に費やす金額の方が多かった時期で、この本の存在も知らなかった。今やネットを駆使すればこういう本も安価に手に入れることもできる。この本は定価1300円で、1000円で購入した。金額という価値は何で決めるかは人それぞれだと思うけど、僕はその本との『出会い』に対して払ってもいいと思う金額であれば払えばいいんじゃないか、と思っている。それは絶対価格は市場との相対価格という経済原理ではなく、五感で感じる価値に見合った価格であれば購入すればいい。


カウンターに持っていくと薄い茶色の紙でその本を包んでくれた。


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これから行ってみよう、と思っている人へ。


サイトで気になる作家が含まれているかをまずはチェックした方がいい。大きなお店ではないので冷やかしで入るにはちょっとつらい空間というか広さだとだと思う。逆にお気に入りの作家の作品が含まれていたら駅からの距離も気にならない素敵な空間になるはず。


桜の季節には今以上に雰囲気のあるお店に見えるのかな、と思いながら、帰りは駅とは反対方向に歩き出した。普段と違う場所をゆっくりと歩きたくなる気持ちになったのは『COW BOOKS』で本を買ったからかな・・・。