タイトルと中身のギャップが・・・ 『ゴルフの品格 月イチプレーヤーでもシングルになれる100の方法』 神田恵介




"ゴルフの品格 月イチプレーヤーでもシングルになれる100の方法 (幻冬舎ルネッサンス新書)" (神田 恵介)


まず本書のタイトルは誤解を招くのでどうかな・・・というのが読後の印象。内容は悪くないけど、タイトルと中身のギャップがあるのでタイトル買いした人はあまり良い印象を持たないだろう。実際、Amazonのレビューも酷評が多いし。


 


僕自身はここしばらくゴルフはしていないけど、本書はゴルフ初級者にはいいね(初心者ではなく)。ゴルフに限らずスポーツ全般に言えることだと思うけど、基本的な理屈を知っているとその後応用できる部分が多いよね。そういう意味では技術だけではなく、マナーや楽しみ方まで含めて一冊にまとめているところには価値がある。下手にゴルフ雑誌や技術論の本に足を踏み入れると、その時代の流行や小手先のテクニックに走りがちなので。


 


僕の場合、実家の近所にはゴルフ場がたくさんあり、練習場もたくさんあったから中学ぐらいの時にはバッティングセンターの代わりにゴルフの打ちっぱなしに行っていた。だから初めてコースに出た時もグリーンまでは全然苦労しなかった。飛距離も出てまっすぐ飛ぶし、長めのミドルホールも3オンしたんじゃないかな。でも、4パッドだったと思うけど。結局、トータル122で上がり、デビュー戦としてはまずまずだった。


しかしそこからは長い道のりが待っていた。ドライバーの打球は曲がり、アイアンも苦労するようになり、一向にスコアは縮まらない。


上手になるためには正しい知識のもと、正しい練習が必要だった。


こういう人には本書は打ってつけだと思う。練習場で行うべき練習方法やコースに出た時に意識しなければいけない点などがよくまとめられていると思う。特にコースに出るとドライバー飛距離やスコア、アンラッキーな状況に気を取られがちだが、心を別のところに置いて臨むべき、という著者の意見には賛成。まあ、人によって上から目線で苛つく人も多いかも知れないけど・・・。


 


最初にタイトルに触れたけど、サブタイトルの「月イチプレーヤーでもシングルになれる100の方法」はかなり誇張されていて、これを読んでもシングルはおろか100を切るのも難しいだろう。著者が書いている通り、他のスポーツ以上に『心・技・体』のバランスが求められるのがゴルフなのでキモになるようなポイントを押さえつつも踏み込みが足りなかったり、ゴルフが上手な人が話す口調になってしまっているのが残念だ。もしゴルフ初心者がこの本を読んで理解が難しかった部分をもう少しかみ砕いて、そして具体的に表現できればかなりの良書になる気がする。