自分を非日常に置いて発想をドライブしてみる


記憶の加工


僕はデザイナーじゃないし、デザインの仕事をしているわけでもないけどギャラリーに足を運んだり、写真展を見るのはすごく好き。普段の生活の中で感じるものとは別のインスピレーションが湧くし、その経験が重なって新しいアイデアのシーズになったりする。今回もlinkerの@cremaさんのブログを見て気になっていたので、最終日の火曜日、仕事の前にちょっと覗いてみました(だから今は開催されていませんよ)。


 


知らなかったんだけど新宿のパークタワーにはインテリアデザインのテナントがいっぱい入っているんですね。そこの9Fの一部でこのイベントが開催されていました。


 


最初に目に入ったのは壁面にずらっと並んだコード(写真が無いとイメージが伝わらないと思うんですが)。『電気』という目に見えないものを『コード』という目に見える形にイメージ変換して表現されている。数個だとあまりインパクトは無いけど、壁一面、どんどん『コード』が伸びてきて、ハンガーになったり、(服をさげる)フックの姿になったりと、思わずニヤケてしまった。ちょうどスタッフの方もいたので、ちょっとお話したら『電気』をモチーフにしているだけではなく、同時に『Power』を表現しているとのこと。なるほど、と独りごちてしまったけど、こういう時には積極的に会話した方がいいね。自分で感じたことだけではなく、キャッチできなかった作り手の思いも同時に分かるし。


 


coffee cup


取っ手がネジになっているデミタスカップは見た目と持った感触が全然違った。実はネジの部分も陶器でできていて、そこにメッキを施してあるそうだ。もしネジの部分が完全に金属だともっと重く、持った時にカップとしてのバランスも悪かったろう。それから意外にも通常のデミタスカップよりも持ちやすかった。そして、ネジは飲むときに捻るでしょ、と言われて、『あっ』と。これは『スイッチ』を入れる(あるいは捲く)動作とコーヒーを飲んで自分の意識や気持ちにスイッチを入れるダブルミーニングなんだそうだ。こういうギミックは何かに書かれたものを読むのではなく、会話の中で出てくると本当に楽しい。


 


付箋を使ってみのむしのようになった照明に対しては、逆に強粘着の付箋を使って逆さにすれば花になるのでは、と提言。それはスタッフの方もイメージしていなかったようで、僕は心の中でガッツポーズを作る。何か頭の中に浮かんだイメージはそのままにせずに口にしてみるものですね。その後も会話が弾み、次々に新しいアイデアが出て、本当に楽しいひとときでした。


 


普段の景色の中にも注意すればこんな発見ができるんだと思うけど、あえて非日常の中に自分を置いた方が発想しやすい。面白いもので、発想したものを会話に変換し、同調してくるとアイデアは次々に湧き出てくる。そういう意味でも時々はこういうブレストは必要だね。


もしかしたら、この経験がどこかの仕事のアイデアの一部に使われるかも知れないしね(パクリじゃなくてね)。30分ぐらいの時間だったけど、有意義な時間でした。


デザインされた方は小泉忍さんという方で、オフィシャルなサイトはこちら