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電子書籍の現状を1時間半で把握 セミナー『Webクリエイティブ視点で考える電子書籍の可能性』に参加


セミナー資料


今日の夜はWeb Designing主催の雑誌連動セミナー『Webクリエイティブ視点で考える電子書籍の可能性』に参加してきた。講師は境祐司さん。境さんのポッドキャストを聴き、メルマガも購読しているので内容的には既知のものではあったものの内容を整理する上で非常に有意義な時間だった。主たるターゲットはWebデザイナーだったけど(雑誌の性格上そうだろうが)、僕みたいに全然違う領域の人でも十分に楽しめた。


 


  1. 内容的には、

  2. 現状把握

  3. Webデザイナーのためのブックデザイン

  4. Webデザイナーのためのインタラクションデザイン

  5. Webデザイナーのためのプロダクションワーク

  6. Webデザイナーは電子出版にどう携わっていけばよいのか?


という盛りだくさんの構成で、始まる前はこれを1時間半で言い尽くせるのかと思っていたけど、さすが境さんできっちりと1時間15分で話しきり、質疑応答の時間も用意するという離れ技をやってのけた。特に序盤ではプロジェクターが熱暴走するという波乱もあったけど、終わってみれば周りの方の表情を見ると満足度が高いセミナーだったのではないかと想像する。


最初の部分で現状把握の時間を用意し、iPhoneで買った電子書籍iPhoneからAndroid携帯に機種を変更した場合にその電子書籍は読めるか、という例は本当にわかりやすい例で、かつその後の話に繋がるいいアプローチだった(想像通り、読めなくなる)。これは紙の書籍と電子書籍の絶対的な違いリーダーとしての『デバイス』が必要、という部分にたどり着く。ここでもうまい表現があり、『音楽との違いは、音楽の場合必ず「再生機」があった』とレコード/CDから配信に移行した/しつつある状況と近しい部分もあるが根本的に違う、ということを改めて認識させていた。そして押さえておかなければいけないポイントとして、


  • プラットフォーム

  • フォーマット

  • リーダー

  • DRM


がある。これらは海外の方がシンプルな情勢で、国内は市場の割にプラットフォームプレイヤーとフォーマットが多く、まだまだこれからせめぎ合いが続きそうな状況。また2011年5月に仕様が完了する予定のEPUB 3.0が公開されると更に複雑化する可能性もある。


 


僕の中で今日深い内容だったのはUIの完成度の話。これまでリーダー(ソフトウェアとしての)の評価が実装されている機能、つまりどれだけカスタマイズできるか(=多くの人のニーズ対応できるか)からデフォルトの作りの完成度にシフトしつつある、という点。これはデバイスとかソフトウェアだけの話ではなく、『利用者の目線で考えられているか』ということを考えるとすべての商品、サービスに言えることだろう。多くの人がそのままの状態(デフォルトあるいは初期状態)で満足するデザインや設計はこれからより一層重要になってくる部分だと思う。UIが優れていれば機能はそのままでもユーザ層のブレイクスルーが起きるだろう。例として相応しいかどうか分からないけど、iPadは当初『大きなiPod touch』と揶揄されたこともあるけど、高年齢層や医療現場などPCではケータイでは浸透しなかったところへも普及しつつある。これはUIだけではないけど、まずはUIの素晴らしさがきっかけになっていることには違いないだろう。


 


W3CEPUBなのでWeb→電子書籍は自然な流れでもあり、Webコンテンツ→電子書籍(あるいは逆)がビジネスシーズでもある。『出版物』にいう意識に縛られなければ、新しい価値を生み出すだろう。身近な例として境さんが紹介された『Instapaper』→EPUB出力し、そのファイルにメモする、これはまさに『目から鱗』の話だった。