ソーシャル・ゲームとの付き合い方


ガラケーを持っていないのでソーシャルゲームで大きな売上を上げているモバゲー(DeNA)やGREEのイメージが付かなかった(成長理由ね)。そこで、Facebookの『FarmVille』と『CityVille』を積極的にやってみた。『FarmVille』は農場育成ゲームであり、『CityVille』はシムシティのような都市構築ゲームである。大前提として、僕はこれまでもあまりゲームをしてきた経験がないこともなく、まず何から始めていいのかもよく分からないまま、何となく進めてみた。そうするとコインが手に入り、レベルが上がっていくことで進むべき方向は合っているんだな、と思いながらそのままやり続ける(苦笑)。そうすると『GOAL』という名の指示が出始め、手短な目標をクリアしながらレベルを上げていく。感心させられるのは最初はレベルアップに苦労しないように設計されており、徐々にレベルアップするにもハードルが上がっていく。そして『ソーシャルゲーム』と名がつく通り、友達を引き込まないと先に進めない設計になっている。


 


実はここが微妙な部分だと思っていて、相手がゲーム好きやそのゲームに関心がある場合には問題ないけど、そうでない場合にはネズミ講のような勧誘になってしまう恐れがある(少なくとも僕はそう感じた)、という印象を受けた。この場合、すべてではないが『お金』で解決できる部分もある。何かを達成して得られるコインの他にゲーム内で使用する『Cash』がある。『Cash』はスター時に若干所有していて、レベルが上がるごとに1cash手に入れることができる。が、多くの場合Cashは不足しがちで、それを解消するためにはリアルなお金でこのCashを手に入れるか、ひたすらレベルを上げてCashを蓄積する仕組みになっている。基本的にはCashが不足気味になるような状況を作り出し、無料→有料への誘導を行っていることが分かる。ある程度のレベルになってしまうと心理的にも『もったいない』という気持ちも働き、Cashを購入する流れになるのではないかと想像がつく(ちなみに僕は購入していないけど)。このCashも少額から購入できることがポイントなのかも知れない。こうなってくると気持ちはゲームの世界でありながら、気持ちはリアルな感情が働き、悪事も生まれてくる。最近でもこのような事件が新聞にも報道されたばかり。



「怪盗ロワイヤル」アイテム詐欺多発、中傷も


 携帯ゲームサイト「モバゲータウン」などで人気のソーシャルゲーム「怪盗ロワイヤル」で、ゲーム内で使う武器などのアイテムをだまし取られるトラブルが相次いでいる。


 


 アイテムはゲーム内の仮想通貨で購入できるものだが、インターネット上のRMT(リアル・マネー・トレード)では現実の通貨で高値売買されており、識者からは「原則無料の携帯ゲームは子どもの利用者も多く、運営者側が対策を急ぐべきだ」との声も出ている。


(以下、略)


読売新聞 2011年1月5日 YOMIURI ONLINEより


 


もう一つ気をつけなければいけないのは、思いの外、時間を消費すること。ゲームの設計がうまくできているお陰で(友人を巻き込むこと、ほったらかしにすると作物が枯れること)、早くに中毒症状になる。そのため頻繁にサイトへアクセスして対処したりしなければならなくなり、細切れかも知れないがトータルすると結構な時間が必要になる。また複数のゲームを同時進行で行うと必要な時間はより一層増えることになる。ここはある程度、自分の中にルールを設けて楽しまないと弊害が多く出そうな感じがする。


 


ネガティブは要素だけではなく、うちでは子供たちと一緒に『CityVille』をやっている。今の状況を考えて何にエネルギーを使おうか、先に何を建設した方がいいか、などを話しながらアイデアを出し、操作を行っている(これが結構面白いし、算数のクイズをしているような感じになる)。子供たちの方が夢中になりやすいので、こちらも節度を持って対応する必要があるけど・・・。


 


どんなものにも良い面/悪い面の両方が存在するけど、友人を巻き込むこと、中毒になりやすい作りになっていることを十分に理解した上で楽しむべきだと思う。運営会社はどうマネタイズするかを考えて作っているので、その術中にはまらないように。