『BAR』の存在意義


僕の両親はお酒を飲まないので、いわゆる『晩酌』という文化がなく、今でもお酒が無くても全然平気な体質。でも、お酒が嫌いなわけではなく、どちらかと言えば好きな方の部類に入るだろう。思春期に片岡義男の小説に没頭したお陰で、バーボンやバー、マティーニなんてものは響きだけで格好良く感じてしまう。そのイメージがあるからか、今でもバーには特別な思いがある。


 


バーは単にお酒を飲む場所という『機能』だけではなく、『学ぶ』場所でもあると思っている。たとえば、マティーニはジンとベルモットを組み合わせるシンプルなカクテルだけど、ジンに何を選び、ベルモットをどうするかによって全く違うカクテルになる。どこまで冷やすかでも違いが発生する。だからこそ作り手によって求めるものも仕上がりも違ってくる。


長くマティーニに使うジンは『ゴードン』だと信じ切っていた(ジェームズ・ボンドも言っている)が、『ビフィータ』で作ってくれたのが『Bar Barista.』の高瀬さん。『ビフィータ』のボトルを握った高瀬さんに「ビフィータで作るんだ?」と聞いたら、「ビフィータかどうかよりも、ノイリー(・プラット)を使うから・・・」と答えられた。この時点では正直、この答えがどういう意味か分かりませんでした。が、飲んでみると今までのマティーニと違ったドライなのに柔らかい味がそこに。もう何年も前の話だけど、今でもその時の情景が思い出せる。


 


最近では『アレクサンダー』を頼んでバーテンダーさんの考え方を見ることにしている。『アレクサンダー』は大きく分けると


  • コニャクを活かす人

  • アレクサンダーを作る人


に分かれる。更に生クリームを使用するので、グラスに注ぐのが難しい。だからこそ、どこで注いで、どう出すかまで含めて商品。と生意気なことを言っているものの、このお酒を教えてくれたのは友人のねぎりん。下北沢のとあるバーでの一杯が衝撃的だった。


ちなみに高瀬さんにお願いしたら、こんな感じのものを作ってくれました。


アレクサンダー


 


高瀬マジックはジントニックとかオーソドックスな飲み物にも表れる。カウンターの中で氷を霧吹きで湿らせるなど、ちょっとした細工も・・・。そしてこちら側の状態(最初の一杯なのか、それまでのお酒をリセットしたいのか、それとも・・・。メニューには書かれていない心遣いが施される。あれ、高瀬さんのお店の宣伝みたいになっちゃったな。


とは言え、渋谷駅に近いし、高瀬さん自身がかしこまった雰囲気の人ではないので楽しく、美味しいお酒と共にいろいろ教えてくれると思います。おすすめのお店ですよ。


 


ちなみに場所は、



Bar Barista


東京都渋谷区桜丘町2-8 小林ビル2F


Tel: 03-5456-4228


営業時間 平日: 17:00-26:00 土曜日: 17:00-24:00 日祝日休


*時々、日曜日もやっている時があります。


 


関連:


[Life]『Bar Barista.』プレオープン! 2010-08-05