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マクドナルドの宅配サービスの可能性と課題


マクドナルド_セット


またまたマクドナルドが新たなチャレンジ『宅配サービス』に挑む姿勢を打ち出した。過去にブログでも何回かマクドナルドのトピックは書いているけど、この新しいサービスに対する可能性と課題を考えてみたい。


 


まず可能性という部分を考えてみると、2010年は店舗の統廃合を推し進めながら多くの店舗を24時間営業にし、新たなニーズを発掘して売上の上積みをしている(あくまでも発表レベルで)。深夜帯での顧客を獲得している。僕自身の学生時代の頃を振り返ってみると、深夜まで友人たちと過ごし、ちょっとお腹が空いた時に行く場所がファミレスかコンビニしかなかった。実はこのシチュエーションで考えると、本当はファミレスで腰を据えて食べたいわけでもなく、今みたいな寒い季節であればコンビニのサンドウィッチよりは暖かいものが欲しい、というのがコアニーズだろう。これがマクドナルドが深夜でも営業しているとなれば、都市部は歩いて、郊外はドライブスルーで利用でき、軽めにしたければサンド(マクドナルドのバーガー類はサンドと呼んでいる)とドリンク、ニーズさえマッチすればクーポンも利用できる強みを持っている。これは夜型の人たちには受けないわけがない。


そして今度は、足を運んでくれない人(あるいは物理的に難しい人)を掘り起こす戦略である。小さな子供がいる家庭や出不精の人は取り込める可能性は高い。また売上が店舗サイズに依存しないというメリットもある。が、本当にメリットだけなのだろうか。


 


この発表があってからTVでも特集として報道されたり、ネットを検索してもいろいろ記事になっているがここを指摘しているところは無かった。それは社長の原田さんが強烈に推し進めた『Made for You』の否定である。商品の価値を最大化するために注文を受けてから作り、かつお客さんを待たせないために独自の設備を導入し、非常に短期間にすべての店舗に導入したシステムである。海外での普及率はまだそれほど高くないはずである。これに馴れてしまっていると気付きにくいが、海外で作り置きタイプの商品を食べると差は歴然とする。宅配範囲が近距離かつ保温対策がされたもので提供されるにしても作ってから10-15分は経過するだろう。『作りたて』からの劣化と割高の値段を吸収できるかは微妙なポイントになる可能性がある(現在の実験段階では1500円以上の注文が条件)。


課題はそれだけではないと思っている。一番は人的リソースである。宅配の主戦場は都市部だと考えると現時点でも都市部の夜から深夜帯はかなり外国人の労働力に頼っている感がある。これはマクドナルドに限らず、多くの都市部のファーストフード店は外国人労働力無くしては運営が難しい状況と想像する。宅配の場合、運転免許、1人で対応可能なコミュニケーション能力、土地勘など店舗内クルーとは別のスキルセットが必要になり、交通事故というリスクも発生する。それらは当然コストに跳ね返ってくる。効率よく配達しても1時間に2件が現実的な線だろう。その場合の時給分を吸収してプラスになるかどうかがポイントになってくるだろう。


 


しかし、対象を一般家庭だけに考えず、カラオケ店に提供するなどBtoBtoCというアプローチもあるかも知れない(個人的には雀荘なんかもいいと思っているんだけど・・・ポテトの対策は必要だけどね)。いずれにしても興味深いチャレンジであることには違いない。でも、深夜にマックのセットを食べるのは身体には決してプラスじゃないよね。