日経新聞電子版がiPhoneで見られるようになった


日経電子版_iPhoneアプリ


日経新聞電子版のiPhoneアプリがリリースされましたね。おそらく日経新聞電子版の利用者の多くは東京を中心とした都市部に集中しているはずなので(通常の紙ベースの新聞は東京、神奈川、千葉、埼玉で4割以上を占めている)、待ち望んでいた人たちは多いことだろう。実際にこのアプリを使ってみてPC版の日経新聞電子版とは違い、PC版を補完する位置付けで作られていることが分かる。


具体的にいうと、PC版の方は「Web刊」という朝刊・夕刊を埋めるページがメインになっている。これは通常の新聞であれば、朝刊・夕刊という定期発行による時間の縛りを無くして、ネットならではの速報に近い位置付けのものである。朝刊や夕刊を読みたい場合には「朝刊・夕刊」というタブをクリックすると記事+紙面ビューアーになる。紙面ビューアーは技術的には画期的なんだけど、これを利用して読むことはほとんどない。なぜなら紙面で気になった記事を読む場合には検索した方が早いし、標準の紙面ビューアーではあまりにも小さいので、結局は拡大表示させてその記事に辿り着く必要が発生し、あまり便利さを感じない。またFlashベースで作成されているため、PC以外のiPadiPhoneでは利用することができない。


 


一方、iPhoneアプリは「朝刊・夕刊」がデフォルトで、隣りに速報タブが付いている作りになっている。情報はリアルタイムに取得する形ではなく、記事をダウンロードしてiPhone内にキャッシュして読む方式になっている。これは通勤途中での購読を想定していると思われ、地下鉄など駅以外でソフトバンクの電波がキャッチできない環境下でも読めるように、という考え方からだと思われる。また首都圏の電車はほとんど新聞を車内で読めるような状態ではないので、電車の中で日経新聞を読む→iPhoneで読む、という提案も含まれているのかも知れない。家を出る前にWi-fiで記事をキャッシュしておいて、電車の中で読む、というスタイルが一番フィットしそうな感じだ。


 


ところで僕はWeb刊の一部のジャンルの記事しか読まないので、今回のアプリの恩恵にはあずかれない。意外と僕のような使い方の方が多い気がするんだけど、新聞全体をくまなく読む人は稀で(紙の新聞であれば全体を俯瞰しながら読み飛ばしていくことはあっても)、関連する業界の内容をチェックする人の方が多いと思う。そういう人には今回のアプリは不向きで、速報にはジャンルのフィルターがない。つまりジャンルを問わず、時系列でニュースが並んでいる状態。この辺はITmediaのアプリの方が優れているね(アプリの作り方として)。


今後のバージョンアップに期待かな。


ちなみにこのアプリは日経新聞電子版の有料会員のみに提供されるサービスになります。