無料でTVを見ようとしたらコマーシャルを見続けないといけない時代



日テレ、共同購入サイトに参入 地上波放送と連動


日本テレビ放送網は12月にも、共同購入サイト事業に参入する。テレビ番組で商品やサービスを紹介しつつ、インターネットで共同購入者を募集。参加者が通常より安く購入できるようにする。米グルーポンなどが手掛ける共同購入サイトの利用者が日本でも急増していることに着目。地上波放送と連動すれば、さらに高い集客力が見込めると判断した。


事業は飲食店チェーンやコンビニエンスストア、量販店、テーマパーク、ホテルと契約。ネット上で募集した購入希望者が設定した人数に達すると共同購入の商談が成立する。希望者には割安になるクーポンなどが届き、日テレは契約企業から手数料や成功報酬を得る。同社はまず年約1億円の収入をめざす。


日本経済新聞 Web刊 2010/9/26)


 


いよいよTVの地上波の残る道はインフォマーシャルチャネルの形相を帯びてきた感じ。大沢在昌氏の『影絵の騎士』に出てくる『ネットワーク』(今のTV局の近未来版)がより現実的になってきた。今まではCMに対してスポンサーがスポンサーフィーを払い、視聴者は所々で挟まれるCMを(我慢して)見ながら無料で番組を見ることができた。TVというメディアを全国に普及させる方法としては良かったのだろう。しかし、TVはほぼ全世帯に行き渡り、TV以外にもいろいろな伝達手段が出てきた今、別の形に変化することを求められている。


 


この季節(もう終盤だけど)の日テレと言えばジャイアンツ戦の放送チャネルの印象が強かったが、最近ではホーム(東京ドーム)の試合でも地上波で放送しないことがある。基本的には有料のCS放送『日テレG+』を見てくださいね、という流れである(すべての試合で無ければ、アンテナを用意してBS日本でも見ることが可能でこちらは無料)。グループあるいは多チャンネルで対応という理屈は分かるが、ユーザニーズは果たしてそうなのか疑問である。現実的な見方をすると、熱烈なファンではなくプロ野球を見る世代は僕よりも上、親ぐらいの世代だろう。その人たちに地デジ対応のTVにアンテナ、BS用アンテナ、CS用アンテナでリモコンを使いながらチャンネルを切り替え、かつ一部は有料だよ、って言ったら理解してくれる人の方が少ない気がする。ちなみに僕の実家にはDVDレコーダがあるけど、買ってから半年過ぎた今でも繋がっていないし、使われたこともない。うちの親のようにリテラシーも高くなく、TV=通常の地上波という人は、これからは無料の代わりにほぼコマーシャルの番組を見てくださいね、という時代になっていくんですね、きっと。