自己投資としてのFX


かれこれ僕はFXを始めて3年ぐらい経つと思う。世の中で言われているような『大儲け』はできていないけど、トータルで負けていないから健闘している方だと思う。元々、月々の書籍代をカバーしたいなあ、と思って始めたのがきっかけである。平均すると月に2万円ぐらいは書籍に使っているので、それを補填したかった。


 


目標設定


そこでこの『月に2万円』というのが一つの目標になった。実際にやってみて感じるのは、この目標を設定するかどうかが非常に重要なこと。勝っても、負けても常に目標に対しての現状ステータスをチェックする。さらに月ベースのものを日ベースで落とし込んで考える。月に2万といういことは、約20日間の稼動があるので、1日あたり1000円の利益が確保できれば良いわけである。さらに細分化して考えると、500円の利益のディールを2回約定させれば実現可能なのである。500円の利益は10000通貨単位で考えると、0.5円の価格差が生じれば得られる。実際の相場を見てみると分かるけど、0.5円の価格差は1日に何度も発生するので、リスクを回避しながらこの利益を得ることはそれほど難しくはない。


 


道程


そうはいいながらも、こんな風に考えられるようになるまでにはたくさんの失敗をしている。数時間で百万単位の証拠金をロスカット処理されたこともあるし、朝起きたら口座の証拠金がほとんど無くなっていたこともある。でも、やめずに考えて、いくつかのリスク回避方法があることに気付いた。


 



使える予算の一部でポジションを持つ


通常は維持率という指標があるのでこれを目安に見るんだけど、レバレッジ、通貨、証拠金の量によっては率だけでは判断できないけど、不測の事態でも対応できるだけの余裕は必要。


 


両建ての利用


両建てを進めない人もいるけど、リスクを小さくする上では両建てでロングとショートのバランスを保ちながらポジションを作った方がリスクが少ない。大きく儲けられないかも知れないけど、大損しないことの方が大事だと思う。


 


得意な通貨をつくる


僕も最初はUSD、EUR、AUD、NZD、GBPといろいろな通貨でやってみたけど、今ではほとんどのトレードをGBPにしている。それはGBPの動きの特徴が何となく分かってきたことが大きいんだけど、併せて1日の変動幅が大きいので動きを確認してからトレードできる点が僕には向いている。最近はGBPに加えて、AUDもちょこっとだけやったりしているけど。


 


深追いしないこと


時には勘が冴えまくって予想通りに相場が動き、目標以上に儲かる時もある。が、目標に少しプラスの状態になったら、追加で勝負をしない。実はそのための目標でもある。気持ちがギャンブルになった瞬間に悪魔に魅せられ、平常心を無くして、結果的に負けのスパイラルに入る。欲をかかないことは勝負事に欠かせないポイントだろう。


 


最大のメリット


取りあえず大波小波があったけど、僕の中の小さな目標はなんとかクリアして継続している。しかし、それ以上にFXを始めたメリットがある。それはいろいろなものに関心を持ち、その情報を解釈したり、仮説を立てたりすることが普通になったことである。新聞の記事、ネットのニュース、新しいサービスに触れることはもちろん、その影響によってどんな変化が発生するのか、どこにその影響を及ぼすのかを考えながら為替相場を見るようになった。実際には為替相場の方向性を確かめたいので、いろいろな情報に目を通すようになったといった方が良いだろう。経済だけではなく、政治、歴史など多岐に渡って興味の範囲が広がる。そういう意味でも僕は多くの人にFXを体験してもらいたいと思っている。いろいろな金融商品があるけど、自力で自分の知識や知恵で資金を増やしていけ、世の中に対する関心度も上がることを考えると良いサービスだと思う。株と違って少ない資金で始められることも大きい。ギャンブルとしてではなく、自己投資の一つとして考えてみてはどうだろうか。