単純に楽しめばいい 『プラダを着た悪魔』


"プラダを着た悪魔 (特別編) [DVD]" (デイビッド・フランケル)


今更ながら『プラダを着た悪魔』を見た。iPadに入れておくとどこでも見ることができるので、隙間時間を使って効率的(?)に映画を見ることが実現できる。


プラダを着た悪魔』はカリスマ的なファッション雑誌編集長がアシスタントに無理難題を押しつけ、アシスタントは仕事とプライベートの両立を目指しながら最後は自分の信念に基づいた選択をする、という物語である。


 


この映画は『仕事』と『(恋愛を含む)プライベート』のそれぞれの切り口で見るとまた違って見えてくる。『仕事』という観点で見れば、編集長のミランダの要求は公私混同、無理難題をとにかくアシスタントに押しつけ、処理できたものだけが生き残れる、という部分は、単純に見ればなぜミランダの下で仕事をする必要があるのか、という疑問に行き着くだろう。が、ジャーナリストを目指すアンドレアが夢に向けてのチャンスを掴むための時間、と割り切れば納得できるかも知れない。またミランダの横暴ぶりはメチャメチャだけど、雑誌の品質を維持し、その雑誌のプレゼンスを理解した上で自分がやるべき仕事をやり続けている姿は、それはそれで評価できるだろう。家族との折り合いを調整仕切れず、ミランダが悩むシーンは『この人にも人間的な面があるんだな』と思わせる重要な演出になっている。


 


プライベートでは学生時代からの仲間(?)と一緒に食事をし、夢は違うところにあるけれど今はこの仕事で我慢している、という多くの人の共感を呼ぶシーンかも知れない。決して建設的な時間では無いのだけれど、多くの人が(相手は別にして)仕事がうまくいっていない時に過ごす方法に近いだろう。


 


きっとこの映画はあれこれ難しく考えず、ファッションと音楽に浸りながら楽しみ、それぞれのシーンで『私だったら・・・』と思うぐらいが一番満足する作品なのだろう。難しく考えず、楽しめる作品ですね。