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コミュニケーションツールとしてのメルマガ 『ソニー』

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SONY_Kyoko


普段どれぐらいの数のメルマガが届けられ、どれぐらいの数のメルマガが読まれずに削除されているんだろうか。以前は僕のところにもたくさんのメルマガが来ていたけど、そのほとんどを配信停止にしたお陰で多くの無意味なメルマガを受信しなくて済むようになった。一方では、有料もメルマガも購読しており、中身がしっかりしていれば有料のメルマガも成り立つと思っている。ここは別に機会に書くとしよう。


 


少し前からソニーのメルマガが非常に良くなった。10年ぐらい前から始めたソニー製品ユーザ向けに統合IDを発行し、購入製品の登録や関連情報の提供というサービスを実施している。これまではどちらかというと新製品の紹介やキャンペーンの連絡などプロモーション色が強い、つまり通販会社と同じような視点で作られたものが定期的に送られてきていた。当然ながら、メールを開くことなく(Gmailなので)ヘッダ情報を見ただけでサーバ上で削除してきた。それが少しずつ改善がされてきて、現在は『テクノロジー』、『エンターテイメント』、『ライフスタイル』、『社会・環境への取り組み』という分野毎にコンテンツが作られ、配信されるようになっている。これは販促のためのメルマガというよりも、メルマガを使ったコミュニケーションをどう構築していくか、という一環である。中でも先月から連載として始まった『思い出のソニー製品ストーリー』というコラムは僕らの世代には『ソニー』というブランドや製品に対する記憶を呼び起こす。第1回目のゲストは藤井フミヤで初代ウォークマンについての思い出を語っている。このコラムを読んで思い出したのは(僕の最初のウォークマンは『II』だったけど)オレンジのボタンのこと。今のように完全にパーソナルではなく、『二人で』とか周りへの配慮が製品に施されていた。第2回は元バービー・ボーイズのボーカル 杏子のMDウォークマンやCDウォークマン。僕はCDウォークマンは持っていたし、MDはネットMD版を使っていた。


このコンテンツのキーポイントは単にタレントを使っている、ってことではなく、メーカ側の(つまり作り手側の)視点ではなく、利用者側の視点を通して製品が語られ、またある時代のリーダだった人を登場させ、音楽に一番触れていた時代を呼び起こし、音楽を触媒にソニーのブランド、製品、思い出を喚起させることを狙いにしていると思われる。当然ながら、初代ウォークマンもMDウォークマンも買えるわけではない。そう、直接的な売上に繋がるようなプロモーションではなく、あくまでメルマガ、あるいはメルマガからのサイトへのランディングによるコミュニケーションを通してソニーへのロイヤリティを高めてもらうことだけに特化している。


 


読まれないメルマガを大量に送ってやった気になっていることよりも、メルマガを有効なメディアとしてコミュニケーションツール化し、しっかりとユーザの動きをトラッキングしていくことの方が重要だろう。アップルに押され気味のソニーだけど、こういう地道な努力の積み重ねがいずれ結果に結びつく日が来るのではないか、と密かに期待している。僕はスパムのようなメールを送ってくる会社は信用も信頼もしていない。


 


参考:


第1回 思い出のソニー製品ストーリー 藤井フミヤ


第2回 思い出のソニー製品ストーリー 杏子