なるほど、そういうことだったのか 『ウルトラマンメビウス外伝 ゴーストリバース STAGE2』


"ウルトラマンメビウス外伝 ゴーストリバース STAGE 2 [DVD]" (横山誠)


ゴーストリバースの後編であるこの作品は前編よりもドラマが詰まっています。まず捕らえられたエースとタロウを助けるためにメビウスとメカザムは炎の谷にギガバトルナイザーを手に入れるために向かう。炎の谷ではただでさえ強かったゼットンがEXゼットンとして更にパワーアップした怪獣として待ち受けている。EXゼットンゼットンのテイストを残しながら、表面にトゲを持つ特徴がある。が、個人的にはゴキブリに見えてしまい、どうもかつてウルトラマンを倒した威厳を感じない。そのEXゼットンとの戦いの中でロボットであるはずのメカザムに『心』(仲間、あるいは大事なものを守る、という)が芽生える。これはTVシリーズでのメビウスに於けるザムシャーのメタファーで、セリフもかなり近い。この設定の必要性は賛否両論あるだろう。そもそもメカザムの風体を考えてもザムシャーを意識させるようなものなので、ここまで被せるのであればザムシャーの生まれ変わり、とか、心だけザムシャーから移植した、ぐらいの設定の方が潔かった気がする。


 


無事、ギガバトルナイザーを手に入れ、暗黒四天王の元に戻るとウルトラマンヒカリはそれまでの言動とは別の真のウルトラマンとして暗黒四天王と戦う。メビウスと戦った時にお互いに通じたらしい。


ギガバトルナイザーを手に入れるよう要求したアーマードメフィラス(元々、暗黒四天王のリーダ)は真の意味を口にする。メカザムは帝王 エンペラー星人復活を復活させるスイッチ(これが、タイトルにもなっている『ゴーストリバース』という意味)で、復活にはギガバトルナイザーが必要である、と。ギガバトルナイザーを身体に取り込み、メカザムは徐々にエンペラー星人への変化を始める。『心』を持ったメカザムは自分の運命を受け入れ、メビウスにエンペラー星人が復活する前にメカザム自身を倒すよう懇願する。メビウスはメカザムの気持ちを汲み、エンペラー星人が復活する前にメカザムを仕留める。残されたギガバトルナイザーは宇宙を彷徨う。


エンドロールが流れ、終わったかのように見えたゴーストリバースの話は突如、宇宙を彷徨うギガバトルナイザーを何者かが掴むシーンで終わる。まあ、その手の格好からザラブ星人なんだけど・・・・。


 


この設定は完全に大人向きだし、大人向きにしては映像がちゃちく感じる作りでちょっと中途半端に終わっている感じが強い。映画じゃないし、予算的にも厳しいのは理解できるが、シナリオ自体がやや凝り過ぎというか、複雑にし過ぎたのではないか。