Twitterで悩んでいるなら読んだ方が早い 『Twitter使いこなし術 パワーユーザー100人の「技」を公開』 根岸智幸


"Twitter使いこなし術 パワーユーザー100人の「技」を公開 (アスキー新書)" (根岸 智幸)


いつもお世話になっている『本が好き!』の中の人、根岸さんの本なので手にとってみました。Twitter本は何冊か読んでいるけど、特にITやWebデザインには関係ない世界で仕事をしていて、話題のTwitterを始めて何か活用できないかな、という人にはピッタリの作りになっている。エバンジェリスト的な人が上から目線で書いたようなものではなく、Twitterを取り巻く背景や始め方、そしてどんな風にステップアップしていくかをツールの使い方やキャプチャを多く使いながら説明しています。さすがに元雑誌編集長だけあって、新書の体裁や流れを押さえつつ、ムック本のような感じになっています。


 


僕自身はTwitterの熱狂的な利用者でもないし、便利だと感じる部分もあるので普段から使っているけど、有名人をフォローして読むだけに徹するのは良さの半分しか味わえない、と思っている。残りの半分を実現するには、自分からアウトプットする、そして質の高いアウトプットであればそれに見合った世界が見えてくる。つまり自分参加型メディアで、参加することで価値を上げられるメディアでもある。


 


本書の序盤にはTwitterがこうなる前の根岸さんの理論が展開されていて、なかなか興味深かった。



20年前は『ぴあ』や『HANAKO』が情報源だった。10年前は『王様のブランチ』や『あるある大辞典』に影響されていた・5年前からはグーグルで検索して、ブログやミクシィや口コミサイトを利用するのが当たり前になった。情報誌もTVの情報番組もグーグルもブログも、徐々に僕らの生活に浸透し、ライフスタイルを変えてきた。誰もが鮮度が高くて価値のある情報を求め、消費するようになった。


同意。ちょっと僕の意見を加えると、情報の入手方法が多様化し、かつ楽に情報が得られるようになったため、今度は逆に情報のフィルター化が必要になった。ネットの世界でいえば、グーグルで検索するとグーグル理論に最適化されたサイトが順番に出てくるが(あるいは上位に出るようにサイト側が工夫していたり)、自分にとって上位のサイトが求めている情報とは限らない状態になっている。そのため、自分の味付けが施された結果が得られるような形でフィルターする、あるいは好みが同じような人からの情報を優先したい、という面ではTwitterは向いている。ただし、フォローする人が次第だけどね。


 



東京ウォーカーの話をした後に)それまでバラバラだったサービスや情報を一カ所に集約して利用できるようにするというのは、今だと「ワンストップソリューション」とか「アグリゲート」と呼ばれる。その考え方を、東京ウォーカーは先取りしていたのだ。


東京ウォーカーは全盛期でもあまり買ったことがないのでコメントしにくいんだけど、たしかに雑誌は細分化/専門化の路線に進んでいったけど、ショッピング、映画、グルメ、音楽などをひとまとめにしたことが価値なのかも知れない。その人の趣味のためからコミュニケーションのための情報に価値がシフトした感じかな。デートのプロセスを考えると一冊で一通りはトレースできる。まあ、そんな人がいたのかは分からないけど。


 


アカウントは作ったけど、どう使っていったらいいのか分からない人、どんなツールを利用すると便利なのか、ルールや掟のようなものがあるけど、今さら人に聞けないし・・・という人はまず読んで見てください。読むのが早い人であれば30−40分で読み終わります。


悩む1時間があるなら、それを解消しましょう。