シチュエーションで感じるものが違う 『読むだけでたくさん「奇跡」が起こる本』 吉元由美


"読むだけでたくさん「奇跡」が起こる本 (知的生きかた文庫―わたしの時間シリーズ)" (吉元 由美)


僕の中で吉元由美は作家というよりも作詞家、特に杏里とのコンビネーションが一番だと思っている。彼女の詞は単純じゃなく、いろいろなイメージが想像できる。何が正解かは分からない。逆に聴いた人それぞれに浮かんだイメージが正解なのかも知れない。この本はそんな作詞家 吉元由美を知る上で役立つかも知れない。


 


この本はスピリチュアル、あるいは自己啓発的な印象を受けるかも知れないが、あまり意識せずに素直に読んだ方がいい。読み進めていくと、どこかで『自分もそう』と思うシーンにぶつかるだろう。あるいは、今、自分が置かれている立場や心境に応じてキャッチできる部分が違ってくるので感じた部分から考えを巡らす、でもいい。いつものように今回も読みながら気になった場所に付箋を付けたので、その部分をピックアップしながらコメントしてみよう。


 



「ありがとう」という感謝の言葉は、神様に直結しているのだ。


僕は「ありがとう」という発するのが苦手。ついつい『いいや』と思ってしまい、口にしない。でも、些細なことでも『ありがとう』というと新しい空気が創造される。この表現は本当にうまい。


 



(家を購入するために銀行の融資を受けるため支店長と会話している)


支店長が歌手の名前を知らないからといって融資が取り消されるとは思わなかったが、内心焦った。そのときふっと窓の外を見ると、手がけた杏里のアルバム広告の大きな看板が見えた。私は思わず外の看板を指差しながら興奮して言った。


「あ、あのアルバム、全部書いているんです」


何かがうまくいく時って不思議といろいろなものが自然と揃っていくことを経験する。思いが通じた、という気持ちになる。でも、その思いや願いが中途半端だと決してそんなことはない。


 



小学生の頃、母は私にこうアドバイスをした。


「こんにちは、挨拶するときに、大きな笑顔で言ってごらん。そうすると、相手の人はうれしくなるから」


家の近くで工事しているところの警備員のおじさんに『おはようございます』と挨拶された。全然知らない人で、また自分の家を工事しているわけでもない。次の時、こちらから笑顔で『おはようございます』って笑顔で挨拶したら笑顔で返事をくれた。その一言と笑顔でその日一日の幸せを手に入れた気がした。


 



自分がとった行動、自分が発した言葉は、その通りに自分のところへ戻ってくる。そこに「善意」があれば、素敵な利息がついて返ってくる。


そう感じることが多々ある。ネガティブなことを考えると自然とネガティブは状況になり、ポジティブに考えるとポジティブな結果になる。なんとも不思議である。


 



自分が何に興味があるのかわからないとき、書店を見てまわるのはいいかもしれない。


大きな書店に足を運び、普段は足を踏み入れないジャンルの棚の前を往復することがある。新しいきっかけを見つけるためでもあるが、その時必要な本は本が光って見える。怪しい感じに受け取られるかも知れないが、本当にそうなので試してみるといい。


 



仕事に限らず、まわりの人に尊敬の気持ちを抱くことが人間関係の基本になっている。


本当にそう思う。年齢や立場に関係なく、お互いにリスペクトできるとお互いに一歩前に出て向き合い、本当に新しい創造に一歩踏み出す。


 



あきらめてしまったり、うまくいかないから途中でやめてしまうと、それが「癖」になる。やり続けるよりも、やめる方が楽。


負け癖と一緒。あきらめなければ『負け』はない。シンプルなルールだけど、実行するのは大変。でも、簡単なものから始めて『あきらめない』癖がつくといろいろなものがうまくいくようになる。


 



物事を成就させるために大切なのは、直感の鋭さに実行力をともなわせることだ。


口で言うだけではなく、行動すること。そうですね、頑張ります。


 


きっともっとたくさんのきっかけがあるんだろうけど、受け手側の準備ができていないと感じないものである。でも、そんなきっかけが鏤められていることだけは確か。嘘だと思う前に読んでみるといい。