この本を読んでも自信はつくれない 『一生折れない自信のつくり方』 青木仁志


"一生折れない自信のつくり方" (青木仁志)


この本は『本が好き!』から献本いただきました。


 


正直言って期待値ほどじゃなかった。決して内容が良くない訳じゃなく、この本を手にするだろうって人をイメージすると具体的じゃないのであまり意味がないかも知れない。おそらく著者の本業であるセミナーで話を聞くには良いけれど、本の中身だけで『さあ、やってみよう』となる人は少ないんじゃないかな。


 


著者の青木氏も書いている通り、自信がない人は成功経験が少ないことやネガティブに考えがちな部分が要因だと僕も同感。もっとブレイクダウンすると『何かを継続していくこと』が苦手なんだと思う。その部分を解決してあげないとこの本で青木氏が語っているいくつものメッセージは心に伝わってこない。


そもそも誰しも得意じゃないことを継続して実行していくのは難しいはずである。たしか脳科学的にもそれが普通な状態だと記憶している。だからこそ目標を細かくして積み上げていく方法論を多くの人が書いたり、話したりしている。でも、できる人はごく僅か。


 



最終的に大事なのは自分がどう感じるか、どう解釈するか。人が決めた現実ではなく、自分が現実をつくり出すことです。


僕が付箋を貼った言葉である。僕もそう思っているし、読んだ瞬間に『そうだよね』と思った。が、心が折れてしまった人は『それができれば苦労はしないし、そうじゃないからこの本を手にしたのに』と思うんじゃないかな。この本を読んでいて感じたのは、『自分のメンターを持つこと』に尽きるんじゃないかということ。青木氏もブリタニカのセールス時代に上司というメンターに出会ったことが氏の考え方を変えた一番のポイントだと思う。もちろん、青木氏の能力や努力があってこそだけど・・・。


『継続する力』を身につけられれば自信を得るチャンスもすごく増えると思う。そのためにはインセンティブだったり、仕掛けだったり、といろいろなアイデアがある。よく友人たちにブログを薦めるんだけど、ほとんどの人は『続かない』と答える。多分、普通にやったら続かない。でも一人でもオーディエンス(ブログでのメンターと言ってもいいかも知れない)が見えれば続けられる。これが続けられれば、たくさんのことを学ぶことができ、『自信』という経験値も大きくなる。


 



その人の人生 = 先天的特質 x 環境 x 本人の選択


これもそう思う。でも、この後に具体的に書いてありそうで書いていない。氏の過去の経験から具体例は書かれているんだけど、読み手によって具体的じゃない。全体的にこの調子なんだよね。講師目線というか・・・。セミナーや研修で気持ちをモチベートするには向いている言葉や内容になっている。でも、解決策になっていない。


結局、内容と本のタイトルで手にした人との間にギャップがある。自己啓発概論になっているだけである。僕は人にはお勧めしない本である。