整理されていることに価値がある 『iPhone仕事便利帳』山崎 潤一郎, 鈴木 麻里子, 竹田 真


"iPhone仕事便利帳―1台を使い倒す300の活用法" (山崎 潤一郎, 鈴木 麻里子, 竹田 真)


考えてみるとiPhoneは1年半以上使っていることになる。それもほぼ毎日、充電しないと一日保たないことを考えるとすごい利用率になる。『無くなると困るか』と聞かれれば、きっと『困る』と答えるしかないだろう。ライフスタイルがガラッと変わってしまう気がする。


アプリもいろいろ試しながら(残るアプリは少ないんだけど)使っているので、iPhoneの価値はますます上がる。そこまで利用しながらも、更に便利使えないか、という思いで本書を手に取った。で、役に立ったのか、と言えば、答えは『いいえ』。でも、本としての出来は素晴らしいと言える。


 


巷には(特にネット上)iPhone関連の情報は整理しきれないほど溢れている。iPhoneマニアに聞けば、必要以上(時には宗教的なぐらい)にいろいろ教えてくれるだろう。でも聞きたい人の本音は、目的とその目的にフィットするアプリは何なのか、そして推薦する理由は何なのか、が聞ければ余計なことは必要ない、だろう。実際にネットで検索するとあまりにもいろいろなものが引っ掛かって余計に分からなくなる。本書はその辺を非常によく交通整理されていて無駄がない。その理由は目的別に展開されていて、その目的を達成するためのアプリの紹介に徹しているからである。更に人気が高いアプリは少し多めの紹介になっていること、編集時の価格をしっかりと明記していること、など本当に利用者の立場に立って書かれている。


テーマは、


  • 情報収集

  • メモ

  • データ整理

  • 時間管理

  • プレゼン

  • コミュニケーション

  • スキルアップ

  • リフレッシュ

  • その他(実際には『まだある!』と記載)


に分けられている。途中にコラムも挟み込まれ、読み物としても辞典としても利用できるように工夫されている。特に仕事にiPhoneをうまく活用していきたい、という具体的なイメージができているので余計なものもない(ゲームの紹介もあるが、ビジネスマンのリフレッシュには必要な部分でしょう)。


 


人によっては『ネットで調べれば十分じゃん』と言われるかも知れない。この本の価値は『整理されている』ことに価値がある。そして、『電子書籍』じゃないこと。この手の本はまだまだ紙ベースで全体を俯瞰しながら見て、必要な部分はじっくりと読む、という行為が必要なので紙ベースの方が効率的。新聞と同じかも知れない。


iPhone中級者の棚卸しにもGood!この本の編集者は賢いと思う。