音楽の時間軸をなくす、ということ


佐々木俊尚さんの『電子書籍の衝撃』(電子書籍版)を読みながら、ちょっと違った意味で納得してしまったのでメモ的に。


僕が聴く音楽は意外と雑食で、JPopもあればJazzもあり、R&Bもボサノバも同じ感覚で受け入れる。だから僕のiTunesには約8000曲が収まり、そのうちの数百曲がiPhoneの常連になっている。中でも杏里角松敏生の曲は若かりし頃から飽きることなく聴き続けている。妙な納得をしてしまった部分というのは、こんな感じでStock&Listenを繰り返していると制作された時期というのが全く意味をなさなくなっている、という点。流行のアレンジや録音状態ってものがあるのでさすがに時代を感じてしまう曲もあるけど、90年代以降の曲やリマスターされた曲ならばほとんど時代を意識する必要がない。まあ、詞が時代を映してしまっているものは仕方がないけど・・・(『渋谷で5時』のポケベルなど)。


 


最近お気に入りの角松敏生の『Lunafairymiena』は1999年にリリースされた『TIME TUNNEL』の中の1曲だけど、今リリースされたものといっても違和感がない。相変わらず流行の曲っていうのもあるけど、20年ぐらい前の曲に若者が『良い曲だね』なんてコメントしていたりする。つまり、良い作品は時間軸を超えて生き残る可能性がある。


時間軸を超えた価値観が広まってくると在庫スペースが限られたリアルな店舗ビジネスは特別な店以外は何かに特化しないとニーズに対応するのは難しくなる。実際、『TIME TUNNEL』はHMVの店頭には無かったけど、ブックオフにはあってブックオフにて購入させていただきました(もちろん、TSUTAYAなどにもありませんでした)。


 


僕にとって音楽の時間軸を無くさせた一番のメディアは『YouTube』。意外とYouTubeで見て購入に至るケースが多い。そう考えると、著作権の課題はあるものの積極的にこういうメディアを利用した方がユーザの裾野を広げて、実購買も向上させるんじゃないかな。