20年前の4月1日


今日から4月、思えば20年前の今日が社会人として最初の一歩を踏み出した日でもある。気づくと20年が経過していて、成人するまでの20年とは時間の経過がまるで違うことを痛切に感じている。意外と20年前のことを覚えているものである。


 


1990年4月1日は日曜日だから4月2日が入社式だったと思う。会社から近かったアルカディア市ヶ谷が入社式の会場で、入社式開始前にイスに座っている時に足を組んでいて先輩に蹴られた。先輩の意図は普段のクセがお客さんの前で出てしまい、生意気に見られて損をしないように、という気持ちだったのだけれど、僕の中では結構『イラっと』した。子供じゃないんだから話せばいいのに、と心の中で思っていた。


いよいよ入社式が始まり、後の二代目社長で当時は人事部長の立場で祝辞があった。『君らは不幸な世代だ。好景気に入社した人たちは成功しない、ということは過去の歴史を見ても分かる。もし成功したいと思うのであれば、相当な努力が必要である。』というのがその時のセリフ。これは僕だけじゃなく、同期で集まった時にも他のメンバーが言っていたので、同期の中ではかなり印象強い言葉だったのだろう。


午後からは男子全員がバスで山中湖畔のコテージに移動し、新人研修だった。時代もバブルだったし、煽てられて入社した僕らに待ち受けていたのはシゴキ以上の研修だった。社歌を暗記し、事あるごとに綱領を大声で唱え、それまでの浮かれた気持ちが一掃される5日間だった。たった5日間だったけど、今でも貴重な5日間だったと思っている。


 


僕が勤める会社にも新人が入社した。世の中ではたくさんの人たちが新入社員として社会人の第一歩を歩み始めたことだろう。僕自身だけじゃなく、周りの人たち見てきた中で言えることは、『最初の3年』が如何に重要か、ということ。『3年』がむしゃらに仕事をしたらその後10年は苦労しない。逆に最初の3年を楽してしまえば、きっと辛い人生が待っている(というか、なってしまう)。騙されたと思って3年間はがむしゃらに仕事と向かい合って欲しい。仕事がすべてではないが、仕事に拘束される時間が大半を占めることを考えれば充実したものになるか、辛く苦痛の時間を過ごさなければいけないか答えは簡単だと思う。


僕はこれから20年の仕事を考えるとしよう。